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川名 光弘 の物語>出会い 5
野崎たちが立ち去った後、真也と勝の2人は、言葉少なに教室の片づけを始めた。
いつものように教室を片付けようとした俺は都古に止められ、無理矢理椅子に座らせられる。
都古は、真也がゴミ箱から拾ってくれた服を俺に手渡すと、下を向き自分の手提げバッグの中を漁り始めた。
見られることでこれ以上俺が嫌な思いをしないよう、気遣ってくれているのだろう。
だが視線を逸らすその直前。
俺に服を渡した都古が、ある一点を見つめ驚きに目を見開いたことに、俺は気づいてしまった。
都古が見つめたその位置に、野崎たちからの仕打ちの痕はついていない。
目を留めていたのは、俺の左の鎖骨あたりだった。
そこには、俺にしか見えていないはずの、忌まわしい呪いの印が刻まれていた。




