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1、プロローグ

 嘘。

 うそ。

 ウソ。

 USO。

 嘘嘘嘘嘘。


 積み上げたその数は数え切れるわけもない。


 嘘を吐き続けた末に、俺は今、独りで遊んでいる。


 ――インターネット。


 パソコンの画面の向こう。

 十七インチの俺の宇宙。

 そこは、嘘が暴かれない。


 それが幸せだと思うほど、俺は終わってしまっていた。


 まぁたとえば? 嘘を吐いたことで? 幸せになった人だって? いっぱいいるんじゃないかなぁ……とか考えるのは自慰でしかないかもね。


 俺、二井戸響介(二十二歳)は、腐ったような毎日を送っていた。


 それは、笑えないくらいに不可思議な日常だった。


 朝起きて、パソコンの電源を入れる。

 ゲームして、アニメ見て、たまに飯食う。

 寝る。

 終わり。


 アニメオタクでネトゲ廃人。

 終わってる。


 とはいえ、まぁ、たまに出かけることもあったし、現実世界に友達がいないわけでもない。


 ただ……正確に言えば違うのだが、実質、俺は今、ニートだ。

 いいや、ずっと前からニートだと言ったほうが良いかもしれない。


 ニートとは何だ。

 ニートとは、働かず、働くを意思を持たない動物である。


 いや、どうだろうな。


 動物も狩りをして、働いている。

 ペットならペットで、家庭に就職している。


 人間とも言えず、動物とも言えず、ただ飯食って電気消費して寝るという放置された死体と同等に腐った、人生を貪るゴミである。


 さて、自分をおとしめ尽くしたところで、そんな自分に酔ってみた。

 酔いしれてみた。

 だからと言って働く気は起きなかった。


「しようがないんだよシヨウガナイ仕様がない」


 目を閉じた。


 その時――

 携帯が、鈍い音で鳴いた。


 ……知らないメールアドレスからのメールだった。






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