始まり
10月1日、ついに僕にも魔法が開花した
念願の魔法なんだけど、なぜか戦闘魔法だったんだ
全く予想してなかったから少し不安だけど、見守ってて母さん
アーチより
〈 アナザー対策施設 〉
噂に聞いていた通り、施設は町を出たすぐの所にあり、見るのは初めてだ
思ったよりこじんまりとした建物だが、伝統ある雰囲気に圧倒される
( 集合場所こっちであってるよね? )
恐る恐る歩いてゆく
この施設に来るのは、戦闘魔法を開花させた者だけだ
そんな特殊な環境に緊張し、扉の前で一呼吸置いて心を落ち着かせる
ゆっくり扉を開けると中には既に二人いて、その空気はとても重く感じた
僕には第六感や霊感といった類の感覚が少しある、が、これは単に見て取れるものだ
サングラスをして不機嫌そうな出で立ちの女性と、こちらにものすごい熱い視線を送る男性
少し気まずく感じながらも
「 おはようございます 」
そう軽く挨拶をし席に着くと、男性の方がまくし立ててくる
「 よぉ!お前が来てくれて良かったぁー!」
「 さっきあそこの変なやつにも声掛けたんだけど無視しやがって、このまま2人かと思って焦ったぜ 」
「 俺はチギット、お前は?」
「 てゆうか目が緑色だな、ここら辺じゃ珍しいけど、出身どこだ?」
その勢いに動揺していたが、いいパスが来た
「えっと…なぜか家族で僕だけ緑色なんだよね、理由も特に分からなくて…もしかしたら、魔眼…なのかな!?」
鉄板のジョークである
するとチギットは少しトーンを落とし
「 今その冗談はセンスないぞ? 」
とあっけなく話を流し、また別の話を始める
完全にペースに飲まれつつ他愛もない話をしていると、遠くの方から足音が聞こえ始めた
その音を聞き、自然と静かになる
( いよいよだ… )
この、アナザー対策施設に関する情報は、詳しくは公にされていない
それ故に戦闘魔法を扱う戦闘員は、物語の中の戦士のような存在として扱われている
ガラガラと扉が開くと、大柄な男性が顔を出す、いかにも強そうな感じだ
お互い不思議そうに見つめ合うと
「 珍しいな、戦闘員が一気に三人も、それにみんな同じ歳くらいか? 」
「 10代後半といったところだな 」
そう口にした後、少し間が空き雰囲気が変わる




