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ASMR系VTuberの私、ぼっちのはずがなぜかクラスの美少女に溺愛されてます!  作者: 海野アロイ
第二章 ASMR系Vtuberの私、陰キャのはずがMV作るとか無理すぎます!?
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36.悠木ゆめめのASMRささやきコラボ配信その1:え、私のお手本、普通ですよね? なんでそこまでオーバーリアクションするんですか


『それでは、今日の企画、やっていきましょう! 朝比奈ぴなはASMRが得意になりたい!』


『ちょっと先輩だけズルいですよっ! 音葉うたうも得意になりたいです!』


『そんなわけで、講師役に最近話題の悠木ゆめめちゃんに来ていただきましたっ! 拍手!』


「こ、こんばんわぁ」


『かわいいー!』


「は、ど、ども、アリガトウゴザイマス……」


 コラボが始まった。

 私はお姉ちゃんの進行に舌を巻く。

 お姉ちゃんこと、朝比奈ぴな、すごすぎる。

 プロだ、この人。

 

 同時接続は6000人以上。

 見たことがない数字だ。

 思わず声が震えてしまう私である。


 それなのに、お姉ちゃんたちはガンガン前に出ていく。すごい。

 企画の進行についてはあらかじめ台本みたいなのを渡されているけど、アドリブも多い。

 音葉さんは、私が想像していたよりもずっと話しやすい雰囲気だ。


『私たち、ぶいぱらと悠木ゆめめさんとはこれが初めてのコラボなんですよ!』


『へぇえ、すごいですねっ! 私、初めてもらっちゃいました』


『って、うたう! そういうのダメだからねっ! ゆめめファンに怒られちゃうから』


『ひぇええ、ごめんねぇ、ゆめめちゃん』


「い、いえぇ、ダイジョウブデス……」


 お姉ちゃんたちの進行はすさまじく、私はほとんどしゃべらずとも事態が進行する。

 頼もしいと言えば頼もしいけど、完全に空気だ。


 いや、それでもいいのかもしれない。

 だって、二人の掛け合いは楽しいのだ。

 初めてがどうっていうのはわからないけど、こちらも思わずくすっと笑ってしまう。


『先輩、今日はどんなことやるんですか?』


『えーとね、私たちがささやきASMRを実演して、ゆめめ先生から上達のヒントを頂くって感じです!』


『ささやきですかぁ、うわぁやれるかなぁ』


『ぶいぱらのガサツ担当とか言われてるもんね、あんた』


『それを言うなら、先輩もそうじゃないですか! いや、むしろ、先輩が代表格でしょ?』


『ひっど。それじゃ、ゆめめちゃん、ぴなとうたう、どっちがガサツに思える?』


「ひぇ!? ぅ、えぅ、どっちも丁寧そうですよぉ?」


 しかも、である。

 お姉ちゃんたちは私を空気にしないためなのか、こちらに会話のボールをちょいちょい飛ばして来るのだ。

 当然、面白さのかけらもないことしか言えない。

 うぅう、自分のコミュ障度合いが身に染みてよくわかる。

 どうしよう、こんな私が、あの二人にアドバイスなんて、できるのかな……。


『それじゃ、最初のお題は、これっ! こんばんは、〇〇です! 〇〇には自分の名前をいれてね』


『なにこれ、めっちゃ簡単じゃないですかぁ』


『おぅおぅ、言うじゃねぇか。うたうの癖に』


 画面にはお題が大きく表示される。

 なるほど、挨拶かぁ。

 基本中の基本だけど、心臓がバクバクしていて耳の奥がきぃんとしている。

 緊張でだいぶおかしなことになっている。

 どうしよ、逃げたい。怖い。

  

 いけない、いけない、思考がネガティブになってきた。

 お姉ちゃんたちのささやきをまずはよく聞かなきゃ。


『それじゃ、私から行きます』


 お姉ちゃんのアバターが目をつぶる。

 軽く息を吸う音が続く。


『おはようございます、朝比奈ぴなです……! どうだっ!?』


 ヘッドフォン越しに聞こえてくるのは、お姉ちゃんのささやき声だ。

 元気で明るいキャラクターがにじみ出ている。

 ちょっといたずらっ子みたいでかわいいと思う。

 

 ただ、そもそも、お題は「こんばんは」だったはず。

 それと、名前の部分が元気良すぎてささやきと呼べるかわからない。


『なかなか、やるじゃないですかっ! 次は私が行きますよっ! ……こんにちワァ、オトハうたうですぅ』


 今度は「こんにちは」だった。

 最初の挨拶部分は別に何でもいいっていう設定なのかもしれない。

 出だしはかわいいんだけど、なんていうかムリをして高い声をだしているのか途中で声が裏返ってしまった。

 ハスキーな声質だから、むしろ地声を活かしたほうがいいと思う。


『うたうもなかなかいいじゃんっ!』


『先輩もかわいかったですよぉ!』


 朝比奈ぴなと音葉うたうさんは二人でキャッキャウフフと盛り上がる。

 どうやら上手く行ったとおもっているらしい。

 二人の微笑ましい姿にくすっと笑ってしまう。

 どうやら私の緊張も、少しはほぐれてきたのかもしれない。


『それじゃ、悠木ゆめめ大先生、アドバイスをお願いします!』


『お願いしまーす!』


 ごくりと唾をのむ。

 今迄みたいに適当に相づちを打っていればいいという場面ではない。

 よし、ちゃんとやるぞ。


「ぁう、えっと、まずはあさひ、じゃなくて、ぴなさんは明るいんだけど、それが裏目に出ちゃってる気がするといいますか……うう、言って大丈夫だったですか? あ、ごめんなさい、言いすぎですよね!?」


 完全に混乱して、ちょっとキツイ言い方になってしまったかもしれない。

 うぅ、これじゃダメだ。

 何かちょっとでもためになったって思ってもらわなきゃ。


「例えば、そのぉ、こんなふうですね。……こんばんは、朝比奈ぴなです」


 私はちょっと声をお姉ちゃんに寄せて、声を出す。

 血を分けた姉妹なのだ、けっこう似てるかもしれない。


『ぬぉ、うわ、ひぇええ!? 今の私の声っぽくない!?』


『なんですか、今の!? 清楚な、清楚な先輩がいますよぉ!?』


『ちょい待て、それじゃ私、清楚じゃないってコト!?』


 二人のアバターが目を大きく開き、わぁわぁと騒ぐ。

 どうやら私の声真似が面白かったらしい。

 よかった……のかな?


「続いては音葉うたうさんですけども、持ち味を活かして囁いた方がいいかと思います。もともと、すごく声がキレイな方なので、ええと、こんな感じです。……こんばんは、音葉うたうです」


 今度は音葉うたうさんの発声に寄せて声を出す。

 低い声だけど、まだ喉に負担が出るほどではない。


『ひぇええええ!? 私っぽい!?』


『でも、うたうの癖に大人っぽいじゃん!?』


『うたうの癖にって何ですかそれ!』


『いや、うたうってクール目なのにうるさいクソガキじゃん』


『ひと言、余計ですよっ! うるさくないですっ! クソガキでもない』


 お姉ちゃんたちはなおも大騒ぎである。

 やばい、調子に乗って物まねをしすぎたかもしれない。


『それじゃあさぁ、ゆめめちゃんはどうなの? 自己紹介してみてよー?』


『いいですね! 先生のお手本を聞きたい!』


「おぉう、私ですか」


 今度は私に実演するようにと言うことだ。

 よし、ここはいつもの調子でやろう。平常心で。


 すぅと息を吸いこむ。

 普段の臆病な私が解けていくのを感じる。

 思ったよりも、こうやっていろんな人とASMRするのも楽しいのかもしれない。


 よし、大丈夫。

 私のチャンネルのみんな、見ててね。


「こんばんは、悠木ゆめめです」


 お手本を、ということなので、普段私がやっている通りの挨拶をする。

 声が小さくなり過ぎないように最低限、声量はコントロールしたけど。


『ぬひょぉおおお!? かわいいぃぃいいっ!』


『ごんっ! ぅあきゃああ!?』


 二人のリアクションは対照的だった。

 お姉ちゃんはわざとらしいぐらいにリアクションしてくれている。

 実の妹の配信なのだ、何度か見たこともあるはずなのに。

 しかし、オーバーリアクションすぎて、私が何か特別なことをしてるかのように思われそうだ。

 

 一方、対照的なのは音葉うたうさんだ。

 何かがマイクにぶつかる音がしたのち、彼女の叫び声が聞こえた。


『ちょっとぉ、うたう、大丈夫!? すごい音したけど』


『あんまりにも良すぎて、気づいたらマイクにヘドバンかましてました。鼻血出そう』


『てか、叫んでなかった?』


『……お茶が倒れました。今、手元と鼻を拭きます』


「あ、あの、大丈夫ですか?」


 またしても気の利いたことの言えない私。

 こういうコラボ時の緊急事態みたいなものには慣れていないのだ。

 あわわ、高級な機材が水濡れしてませんでしょうに。


『えー、ごほんっ! 次のお題はシークレットお題です!』


『シークレットって怪しいですよ、先輩』


 打ち合わせの際に、あちら側の運営さんから、「一つぐらい秘密のお題があった方が演者側も楽しいのではないか」みたいなことを言われたのを覚えている。

 どんなお題なんだろう。

 私が得意なものならいいんだけど。


『次は、お兄ちゃん、お姉ちゃん、だぁい好き、です! ……って、誰だ、この企画考えた奴!?』


『なにこれ、罰ゲーム!?』


「ひぇぇええ」


 とんでもないのが飛んできた。


【☆★読者の皆様へ お願いがあります★☆】


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次回もお楽しみに!

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