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ASMR系VTuberの私、ぼっちのはずがなぜかクラスの美少女に溺愛されてます!  作者: 海野アロイ
第二章 ASMR系Vtuberの私、陰キャのはずがMV作るとか無理すぎます!?
33/62

33.教育実習の先生がやってきたけど、ちょっと様子がおかしい

「昨日、最高過ぎたよぉ、私、一緒にケーキ三個も食べちゃった」


「何言ってるのよ? 最後の甘々寝かしつけが最高だったじゃないの!」


「そんなことより、グッズ化目指すのめちゃくちゃ嬉しい!」


 一周年記念配信から一夜明けると、月曜日が始まる。

 私は高校生なので、きちんと学校に行く。

 何を隠そう、この私、高校1年生にして、ついにぼっちを卒業したのである。

 私には特別に仲の良い友達が三人もいるのだ。


「透子さん、エリカさん、ふみさん、おはようございます!」


 教室に到着すると、私はおしゃべり中の三人に声をかける。

 そう、私のお友だちの朝霧透子さん、鏑木エリカさん、そして、加賀見ふみさん、である。

 会話に熱中しているようで、後ろから近づく私には気づいていないようだ。

 ちょっとサプライズ的な挨拶である。


「あ、ゆうなちゃん、おっはよー! 今日も元気だねー!」


 エリカさんはスキンシップが激しい人で私に抱き着いてくる。

 最初はすごく戸惑ったけど、今は少しだけ慣れた。

 それにしても、色々と柔らかい。

 いいにおいもするし、エリカさん、恐るべし。


「おはようなのじゃ! こら、エリカ、くっつくな! 困惑しとるじゃろうが!」


 そんなエリカさんを引きはがしてくれるのが、ふみさんである。

 身長は私よりも低いけど、けっこうパワフルな人だ。 

 最初は私と同じ陰のものだったのだが、エリカさんと透子さんには強く出るようになった。


「ひ。お、おはようございまひゅ、私はな、な、なにも言ってません、私は何も知りません、ぉおおお」


 そして、一番謎なリアクションをするのが透子さんである。

 彼女は挨拶をした瞬間から、おろおろし始め、しまいには机に頭を打ち付けた。

 まるで探偵アニメの犯人が嘘を見抜かれた時みたいなありさまだ。


「とーこ、あんた、不審者過ぎるよー!」


「つかまるがいい。席に連れて行ってやる」


「うぅうう、今の大丈夫だったわよね? 大丈夫よね? もしバレたら私たち死ぬしか」


「私たちって、あたしも入ってるの怖いんだけどー!」


 エリカさんとふみさんは青ざめた顔をしている透子さんに肩を貸して、自席へと連行していった。

 透子さんはぶつぶつ何かを言っていたが、大丈夫なんだろうか。


 三人の背中を見送っていると、担任の先生が教室に入ってきた。

 彼女の後ろには、大学生ぐらいの女の人が立っている。


「はーい、それでは教育実習生の春野先生を紹介するわ。一応、うちの卒業生だからよろしくね」


「ぅひ、う、えぅ、その、は、春野セカイですぅ。東京音楽学芸大学にいまして、こちらでは音楽をたたたた担当しまひょい。そ、そのぉ、よろしくお願いひます……」


 女の人、春野セカイさんは教育実習生だったらしい。

 教員免許をとるために大学四年生ぐらいの人が母校にくるあれである。

 メガネをかけて、黒い髪を後ろで一本縛りにしている。

 すごく真面目そうな雰囲気である。

 

 しかし、この人、なんていうか……。


「ごめんなさい、ちょっとお名前、聞き取れなかったんですけど! もう一度、お願いします」


 クラス後方に座っていたお調子者の男子が手を挙げる。

 そう、春野先生の声はかなり小さかった。

 私も声の小ささでは自信があるが、かなりか細い声だ。

 猫背気味に下を向いているから、声が通らないってのもあるかもしれない。


「ぅひ、えと、そのぉ、ひゃるのセカイですぅ! お、お、おぉねがい、します、二週間のあいだですけどもひぃ」


 春野さんはぎゅっと手を握って、思いっきり声を出す。

 最初はびっくりするぐらい大きかったが、後半はふたたび蚊の鳴くような声になった。

 クラスの前の方にいる私がやっと聞き取れたぐらいの声の大きさである。


「はいはい、緊張してるんだからあんまりいじらないように。春野先生にはクラスルームと音楽の授業で会えると思うから、楽しみにしておきなさい。それじゃ、今週の予定だけど……」


 担任の先生が間に入って、必要事項を連絡していく。

 その間、春野先生はずっと下を向いていた。

 ここで私は確信する。


 あ、この人、私と同じにおいがするって。

 本当に失礼だけど、この春野先生、私と同類、陰のものなのだ。


 担任の先生の話を聞きながら私は夢想する。

 もしも、私が先生になりたいって思って教育実習に来たらどうなるだろうか?

 目の前にはたくさんの高校生。

 絶対に緊張するに決まっている。

 いや、それ以前に、先生なんて仕事絶対に無理だ。

 他人事ながら、春野先生のこれからがすごくすごく心配になるのだった。





「そ、それではそのぉ、発声練習をしていきましょほぃ……」


 次の日のことだ。

 私はついに春野先生の音楽のクラスに出席する。

 かなりガチガチに緊張していて、見ているだけでこっちまで胃が痛くなりそう。


 発声練習はピアノの伴奏と一緒に、音階ごとの声を出すものだ。

 私の前では透子さんが発声練習をしていた。

 伸びのある、すごくいい声だと思う。

 前にカラオケに行った時も思ったけど、透子さん、歌が上手いんだよなぁ。


「そ、それじゃ、つ、次の方、どうぞ……」


 それからしばらくして、私の番がやってきた。 

 私は歌は好きだ。

 上手くなりたいって気持ちもある。

 だけど、お姉ちゃんみたいにちゃんと学んだこともないし、コンプレックスがある。

 今日は腹筋に力を入れて頑張ろう。

 私は「よし」と小さくつぶやいて、すぅと息を吸う。


「ふはっ!?」


「ひぃ!?」


 気づいた時には春野先生はピアノの鍵盤にががーんっと額をぶち当てていた。

 まるで作曲に行き詰った音楽家のような振る舞いだ。

 春野先生は顔をがばっと引き上げると、口をぱくぱくさせた。

 そして、一言。


「……あれ?」


 「あれ?」じゃないですよ!

 そう言いたくなるけど、先生相手にツッコミをいれることはできない。

 私はただ困惑するだけである。


「ぅあ、ご、ごめんなさい、手が……滑りました、ごめんなさひぃ、許してください」


「は、はぁ、大丈夫ですけ。えと、じゃあ、もう一度やりますね」


 いくら手が滑っても顔から鍵盤に当たることはないと思う。

 だけど、ペコペコと頭を下げる春野先生をこれ以上追求することはできない。

 それに緊張のあまり発作的な行動に出たのかもしれないよね。

 その気持ち、よくわかります。

 春野先生のことを内心労う、私なのであった。




「透子さん、すごいですね! 本当にすごくキレイな歌声です!」


「ありがとうございます。そ、そうですかね」


「はい! すっごく高音が伸びるし、プロの人みたいです!」


 クラスが終わった後、私は透子さんに食いついてしまう。

 だって、彼女の声はすごく素敵だったのだ。

 きちんとトレーニングを受けた人だってわかるし、声質もいい。


「うっは、嬉しいです。で、でも、私、もう歌はそんなに好きってわけでもないので、ひへへ……。あ、ゆうなさん、次のクラス、早めにいかないと準備が大変ですよ」


「……そうですね! 急ぎましょう!」


 陰キャあるあるなのだが、ちょっとがっつきすぎてしまった。

 透子さんは歌から話題をそらせたようが気がする。

 たぶん、歌の話題は好きじゃないのかもしれない。

 うぅう、一人で盛り上がってしまった私はなんてコミュ障なんだろう。


 ちょっとだけ胸にモヤモヤしたのを感じながら、教室に急ぐ。

 スマホの時計を見ると、もうぎりぎりだ。

 確かに、かなりキツイ。


「ん?」


 この時、スマホにメッセージが来ていることに気づく。

 『DMのお知らせ』という表示をタップすると、目に飛び込んできたその言葉に心臓が跳ねる。


「うわ、どうしよ⋯⋯」


 それはコラボ依頼だった。

 それも、お姉ちゃんの所属している事務所とのコラボ依頼だった。



「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるんじゃっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

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