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ASMR系VTuberの私、ぼっちのはずがなぜかクラスの美少女に溺愛されてます!  作者: 海野アロイ
第二章 ASMR系Vtuberの私、陰キャのはずがMV作るとか無理すぎます!?
32/62

32.プロローグ:悠木ゆめめ、一周年記念配信を行います!

「それでは、一周年記念配信を行います!」


 私の名前は藤咲ふじさきゆうな、学校では教室の端っこにいる系の目立たない女子である。

 だけど、マイクの前ではVtuberの悠木ゆうきゆめめに変わる。

 ASMRや雑談をメインで行っている個人勢のVtuberだ。

 でも今日は、ちょっとだけ特別な日なのである。


 そう、延期していた一周年記念配信をついに敢行するのだ。

 喉の調子もいいし、企画も考えた。

 さぁ、行こう。やれるよ、私。

 

『ゆめめ様!』


『待ってました!』


『わくわく』


『あれー? 二度目の一周年記念配信?』


『それは言わないお約束』


 チャット欄を見て、苦笑してしまう。

 そう、私は二週間前、世界中に恥ずかしい姿をさらしたのだ。

 書きかけの中途半端な台本で、一人芝居を繰り広げてしまった。

 配信設定をミスってたなんて、まさかその時は気づかずに。

 

 ネットニュースにまでなって、完全に黒歴史である。

 実を言うと、私はそのアーカイブ動画を聞き返していない。絶対に恥ずか死ぬから。


「ぐぅ、ぇ、ぅと、その、今回はちゃんと一周年記念配信です! 前回のはそのぉ、事故というか、黒歴史というか」


『誰だゆめめ様を泣かせた奴 許さない』


『ゆめめ、困ってるからこのへんで』


『かわいそうはかわいい』


『なんかやばい人いない? 過激派?』


『こっわw』


『あれは事故』


 私のリスナーさんはみんな、あったかい。

 最近はチャットが早すぎて読めなくなることもあるけど、基本的には目で追うようにしている。

 リスナーさんの温度が私たち配信者にとっては一番大事だから。

 さぁ、始めるよ。


「えっと、今日はASMRをメインでやっていきますね! こんな感じのお品書きです!」


 画面に今日やることをリストアップする。


・一周年記念!ささやき雑談:一年の振り返り

・今年の目標(?)を大発表

・お祝いにケーキを食べますASMR(クリーム多め)

・お疲れ様マッサージASMR


 実を言うと、前回の台本からはがらっと変えた。

 だって、流れがバレてしまってたら面白みが半減すると思ったから。


『おっほ♡ ケーキ♡ クリーム♡』


『一年間の振り返り嬉しい』


『発表ってなんだろ』


『後半ASMRで嬉しい』


『変態がいるんだけど?』


 リスナーさんの反応もいい感じだ。

 今年の目標として、ボイスとかグッズとかも出したい。

 でも、そういうのって……ちょっと勇気がいるよね。

 お姉ちゃんに、また相談してみようかな。


「あぅ……」


 喉の調子もいいし、頑張ろう。

 そんな時、私の目はとあるチャットを拾ってしまう。 


『歌はやんないのー?』


 そう、歌である。

 前回の誤配信の際、私はウィスパーボイスで歌を歌ったのだ。

 もともとはボカロ曲でかなりアップテンポなのだが、その時はしっとりした感じで。

 お姉ちゃんいわく、「全然よかったよ! 普段よりいい!」なんて言われたけど、これも怖くて聞き返せていない。


 実を言うと、最後まで歌うかどうか迷っていた。

 せっかくだし歌ってみてもいいかな、なんて思ったりして。

 それでも自分の歌に自信が持てない。

 前回は囁くように歌っただけで、本気で歌ったわけじゃない。

 ウィスパーボイスは得意だと思うけど、それは元の曲のテイストとは違うわけで。

 ぐるぐると思考が回った結果、私は尻込みしてしまったのだ。


「今日は歌はそのぉ、外しました。これから歌も頑張りたいと思います」


 喋りながら、一瞬、チャット欄から目をそらしてしまった。

 責められるってことはないけど、なんだか苦しくて。


『ゆめめ様のお好きなように!』


『全然いいよー』


『かわいかったから残念』


『ゆめめは歌よりもASMRじゃん』


『それはそうだよな』


『歌も聞きたいけど』


 歯切れの悪いことしか言えない私である。

 それもあるのか、チャット欄も二分された感じだ。


 「私の歌なんか期待してない」って言葉に、心が少しだけ引っかかる。

 そうだよね、私は“ASMRの人”なんだから。

 ASMRは大好きだ、それは変わらない。だけど……。

 好きなことをしているはずなのに、「それだけじゃ足りないのかも」と思ってしまうのが少し怖い。


 ダメだ、こんな風に内向的になってしまったら。

 せっかく集まってくれたリスナーさんに声を届けるのが私の役目なんだから。


「それじゃ、始めますね! 今日は楽しんでいってください!」


 同時接続数はなんと1300人を超えた。

 実を言うと、新記録である。


 少しだけ声を張って気合を入れ直す。

 ふぅと息を吐いて、マイクに向かう。

 その向こうにいるリスナーさんに届けよう。


「えっと、まずは一年の振り返りですね……」

 

 ささやき声はすごく自然に出てくる。

 そして、やっぱり実感するのだ。

 私はASMRが大好きなんだってことが。


『歌、また聞きたいな』


『私もー!』


『前の誤配信の作業中に聞いてるけど、すごく好き』


 ついついチャット欄の言葉を拾ってしまう

 胸の奥がまたちくりと痛い。

 ほんの少しだけ、歌ってみたい私が、たしかにそこにいた。

【☆★読者の皆様へ お願いがあります★☆】


いよいよ、第二部です。

引き続き読んで頂きありがとうございます!

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ご感想などもすごく楽しみにしています。


次回もお楽しみに!

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