47 学園祭当日 2日目 4
私たちのすることは、来てくれた人に単にクイズを出すだけだ。難しいものも多いが、だいたいは義務教育で習った範囲で解くことができるようになっている。
例えば、以下のような問題が存在する。これは、ローマ字を習っていれば、義務教育を履修していないものでも正解を得ることができる問題だ。
これは、問題自体数秒で作られたものであるとのことで、ひらめき次第では数秒で答えを出すことができる。ただ、どういうわけか正答率は低い。確か、しふぉん(テレビ番組で見たらしい。私は見ていなかった)に教えてもらったときも、悩みに悩んで答えが出ずに聞いてしまった覚えがある。
答えを書いてしまうと、この問題の解答はNである。これは、日本語の数字をアルファベットで書いたときのイニシャルを表しており、以下のように対応している。
じゅう、きゅう、はち、なな、ろく、ご、よん、さん、”に”、いち、ぜろ
Juu, Kyuu, Hachi, Nana, Roku, Go, Yon, San, Ni, Ichi, Zero
私自身、この問題は解けなかった。しかし、考えてみると至極単純であり、解けなかった理由を聞かれても答えられない。しいて言うならば、文字の個数が11個であり当たりをつけにくいことと、全てのアルファベットが異なることのせいで、「出てきていないアルファベットが答え」と思わせられている点にある、くらいだ。
きづいたら13時になっていた。私は、今までいた人と交代し、来てくれた中学生くらいの男子ふたりを案内した。
私とショウは、来てくれた人たちにシュレーディンガー企画のルールを説明したのち、問題を実際に出した。
「?に入るアルファベットを答えてください。制限時間は3分です」
この問題をひらめいたのは浜崎さん。正直仲が良いというわけではないが、喧嘩はしておらず、わたしとはあまり接点がないといった関係の子だ。答え自体はそこまで複雑ではないが、小学生は解答を言われても理解できない人はいるかもしれない程度の難易度だ。
男子はなかなかうなっているようだが、十数秒して背の高いほうが答えに気が付いたようだ。
「俺、わかったわ。なあ伊藤、答え言っていいか?」
伊藤くんはわかっていないようだが、答え言ってもいいよ、と承諾していた。
「答えはHですね」
私は、正解です、と言った。背の高いほうは喜んでいるようだった。
「ねえ堀井、どういうこと?」
伊藤くんは問いかける。堀井くんは、これに対してこう答えた。
「これ逆に読むと、『いろはにほへと』のイニシャルになるだろ? だから答えは、『ほ』にあたるHなんだよ」
伊藤くんは、なるほど、と言った雰囲気で納得していた。正直これは難易度は高くないかもしれない。しかし、十数秒で閃いて答えを出すことは難しいだろう。私は、確か2分ほど考えた覚えがある。私は、堀井くんに、理由もあってます、と伝えた。




