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99 2次試験 1

 2025年2月25日、朝。ついに受験の日となる。私は、受験のため徳島駅近くのホテルに来ていた。1泊2日で、飛行機で徳島空港まで行き、昨日の夕方にチェックイン。そこで過去問を解いて23時就寝、朝の5時に目が覚めたという流れだ。


 外はまだ暗い。日が昇るまであと1時間程度はかかりそうである。私は、顔を洗ってシャワーを軽く浴びた後、すぐに問題の復習を行った。


 先生と話したのだが、結局薬学部はあきらめた。79%だと全く戦えないわけではないのだがかなり不安が残る。じゅうぶんに戦えるように、理工学部に進学することに転換した。


 ショウは、最終的にはなっちの判断を尊重すると前置きしたうえで、薬学部にいってもいいんじゃない?と提案していた。私も何度も想いが揺らいできていた。しかし、最終的には「80%取れなかったら理工学部に転換する」という事前の決断を優先することにしたのだ。


 ここからバスで大学まで移動することになる。時間に余裕を持って、朝の8時には大学に着く予定だ(そのために、7時にホテルを出る)。試験自体は9時半から始まる。数学が2時間であり、その後11時半~13時50分が休憩、そして理科(物理化学から1科目選択だが、私は化学にした)が1時間半というスケジュールになっている。英語は2次試験にはない。英語は苦手ではないが決して得点源というわけでもないので、私はこの仕組みが少しありがたかった。


 ショウにLINEを送ってみたが返事はない。まだ寝ているのだろう。私と違い、彼は2日連続で試験が行われる。少しばかりきつそうに感じるが、彼からすればそうでもないのかもしれない。


 数学の問題は、基本的にそこまで難易度が高いといったものはない。ミスせずに解くことが重要になってくる。少し前に見せてもらったショウの志望大学の数学の方が、”問題としては”難しいのは間違いなかった(もちろん、得点率は別)。


 私は、大学の過去問を復習していた。


 朝ご飯はコンビニエンスストアで買って食べることになる。駅前にいくらでもあるだろう。そういう意味で、そこまで不安にはなっていなかった。


 私はまだ暗い外の景色を見上げた。1か月後、ヘリアンサスガールズに戻れますように。私はそのことを願って、もう1度数学を解き直した。


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