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第28話 乱射のあと

夜空が、また不自然に色づいていた。

極光じみた光がビルの谷間に降り、金属を熱する。

環象社のランクはC。

人が立ち止まり、誰かが端末を向ける。

『えー、めんどくさい』

【07(オーロラ)】は屋根から降り、双銃を構える。

固定位置を取らない。

走り、跳び、乱射する。

光の粒が散り、歪みの芯が崩れていく。

「追い切れない!」

下で黒鋼が叫ぶ。

【07(オーロラ)】は聞いているが、興味がない。

『知らなーい』

一発、また一発。

丁寧ではない。

だが収束には足りる。

空の色が剥がれ、不自然な極光が薄れていく。

環象社の拡声器が流れる。

「異常発光が収束に向かっています」

【07(オーロラ)】は双銃を肩に担ぎ、屋根の端で立ち止まる。

『終わった? じゃあ帰るね』

誰に確認しているわけでもない。

応答もない。

彼女は手を振り、次の屋根へ跳ぶ。

乱射のあとには、熱を帯びた金属と、散った光の粒だけが残る。

深い敵意も、長い宣言もない。

面倒な仕事が、今夜も淡々と終わった。

黒鋼の一人が呟く。

「軽い。軽すぎる」

「軽く見えて、止められてるのが実態だ」

影は、もう見えない。

他人の事情には、最初から興味が薄かった。

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