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私が生まれた

漸くプロローグが終わります

 自分の名前を知らずに12年過ごしてきたことに恥ずかしさと情けなさを感じる私です。そう言えばね、ステータス画面にも名前の欄になしって書いてあったわ。これって名前元から無かったってことだよね?


 でも一応戸籍有ったのに名前なしってのは有りか?アリなのか?



「ならさ、新しく付けちゃえば良いんじゃないかな、名前。」



 ベルさんが笑顔で提案してくれたので私もそれで良いかと新たなと言うか、元から無かったであろう名前を今考えている最中です。



「うーーん(とは言ってもねぇ、名前なんてセンス無い私に付けられる?)」



 暫く悩んでいるとベルさんは器を下げてくると言って退室して行った。体調が良ければリビングの方に来ても言いと言われたので名前が決まり次第行こうかな?



 それにしても名前かぁ。どんな名前が良いかな?日本的な名前は世界観に合わないしなぁ。



 うーん。アンとか?エリザベス?いや、エリザベスは名前負けしてる。縦ロールとか趣味じゃないし。何かエリザベスって縦ロールの金髪ってイメージなんどけど何でかな?

 そうだなぁ、髪の色とかで決めようか?


 安直だけど何か面倒になった私は自分の髪の毛の色を思い出そうとした、が。



「私の髪って何色だっけ?」



 新事実、自分の髪の色まで分かりません。ついでに自分の顔も見たこと無いです。


 これには訳があると言い訳させて。


 実はね、私は鏡を見たことがない。だって持っていないん。家にはあったろうけど、私が使えるなんて事はなかったのだ。

 後、髪の毛は小さい頃から前髪も他の髪と一緒に後ろを束ねているので直接見ることもない。櫛?なにそれ美味しいの食べれるの?そんな環境で髪を丁寧に解かすなんてしたこと無い。寝るときもそのままで、洗うときは目を瞑ってある程度拭いて乾かしたら半乾き状態でさっさと束ねてたから気にしたことも無かった。


 自分はどれだけ自分に無関心だったのだろう。


 半乾きは頭皮に悪いから今度からはちゃんと乾かそう。



 腰まである束ねた髪を前に垂らす。真っ直ぐな金髪が私の肩から垂れ下がっていた。酷い扱いをしていた私の髪は健気に真っ直ぐで痛んでいるようにはパッと見では見えず、手櫛でも絡んだりしないストレート。この髪を前世でも欲しかった。


 色は原色の黄色。きっと光に当たるとキラキラと光だろう。いっそのこと目立たないように切った方が良いのでは。



 カタログから鏡代わりになりそうなものを出して顔の確認をしてみた。そこに写っていたのは少し頬の痩けた青い目がギョロリとした子供だった。いや、驚いたからギョロリとしていたのであっていつもこんなに見開いた目はしてはいない、はず。


 前世とは似ても似つかない顔は少し違和感が有るが何だかストンと納得した自分がいた。不思議なことに両親には似ていない。祖父母は会ったこともないので知らないが、多分この顔も育児放棄の原因でもあったとかな?


 どうでも良いけどな。



「(こんだけ明るいなら、さぞや光を当てれば光だろうね)」



 あ、もう安直にひかるから「ライト」でいいや。響き的に男でも女でも多分大丈夫な気がする。変だって言われでも「そうでしょ?」で済ませれば良いか。


 うん。今日から私は「ライト」だ!




 これは私が生まれた時の話。



 名前がないなら自分でつけてしまえば良い。





漸くプロローグが終わって次回からは第一章に突入します。

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