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私はボッチを脱却する

ボッチには種類がある。恋人がいない。友達がいない。家族がいない。

 その全部が当てはまる人、それがこの主人公だった。


 ※これまでのあらすじ


 スキルがハズレというだけの理由で赤ん坊の頃から育児放棄を受けていた主人公。育ててくれたお婆ちゃん侍女の死でこの環境からの脱却を謀る。

 無事に家族からも貴族からも縁を切ることに成功し、戸籍も抹消することによって自身の存在も隠すことに成功する。


 だがしかし、手続きにかかった支払いで所持金が底を尽き少しの所持品で村から出発することに。しかし、彼女のハズレスキル『ドレスコレクション』が何故かレベルアップをしていて+がついていた。

 進化していたスキルで得た装備でどうにか目的地と思われる村に着くも、所持金0がここで仇となり入れず、強面の警備に恐怖して野宿の選択をしてしまう。


 装備のお陰で九死に一生を得て更にパワーアップをはかる。食料と薬草等を採取し不自然に落ちていた剣を拾い上げ次の村を目指していた。


 しかし、彼女の不注意によって食べたものが原因の腹痛により道端で倒れてしまった。


 親切なエルフ耳のベルという女性に拾われ回復する主人公。


 そして自分の名前と容姿も知らないことに気が付く。


 自分に「ライト」と名前を付け、彼女は漸く自分の幸せを探すスタートラインについたのであった。










 カーテンからもれる朝日が眩しくて目を覚ます。昨日は色々と有りすぎて早々に寝てしまったことを思い出す。初めて目を覚ましたときと同じ天井が今日からずっと見ることになる事が少し嬉しく思って口の端が上がる。


 あの後、私が「ライト」になった後。体調が良ければリビングに来るようにベルさんに言われたので部屋から出てリビングを探す。間抜けたことにリビングの場所を聞き忘れていた事に部屋から出て気が付いた。


 廊下を見ればこの家は結構広い様だ。勿論男爵家の邸よりは小さい。あれと比べるのは間違いだ。

 私の寝ていた部屋は廊下の端で真向かいも部屋がある。廊下の窓から外を見ると村とは思えないほどのヨーロッパ圏の古い町並みの様な建物が立ち並んでいる。ここは二階らしく窓の下に広めの庭があった。


 私の経験上リビングは下かな?と思い下へ降りる階段を探すと私の寝ていた部屋の反対側に階段はあった。


 多分二階には4部屋ある。隠し部屋とか無い限りは間違いないかと。4部屋だけでも部屋それぞれが広い。私の寝ていた部屋も畳10畳位はあった。一階ならまだしも二階で1部屋ずつ10畳は庶民では考えられない程だ。勿論私の育った村基準なのでこの村ではこれが普通━━━


「(まてよ、この規模が普通ならここって・・村じゃなくて街?)」


 あり得なくはないだろう。最初に行こうとして入れなかった村だってここより小さい。遠くに見えた壁もあの村の比ではないほど立派だ。あの壁が崩れる程の事など無いだろうって位立派だ。



 村か街かの疑問はベルさんに後で聞くとして、私は階段を降りるのだった。



 スッゲー、階段の手刷りが磨いた黒檀みたいにスベスベ!




 私の予想は当たっていてリビングは一階にあった。


 リビングとキッチンが吹き抜けになっているようでベルさんは洗い物をしていたようで、私に気が付くと濡れた手を拭きながら近寄って来た。


「もう歩いて大丈夫?」


「大丈夫です。お世話に成りました」



 お辞儀をする私にベルさんは少し考えてから話しかけてきた。



 どうやらベルさんは倒れていた私をヒーラーに見せてくれたらしく、その代金は気にしなくて良いそうだ。でも緊急事態だった為に特別に街━━やっぱり街でしたよ━━に入れてもらえたので一緒に自警団の詰所に行って身元確認をしないといけないようだ。

 ベルさんも私の状況を理解してくれているので身元を保証してくれるそうだ。本当にありがたいです。



「ところで、うちの子になる気ある?」


「・・・え?」



 ベルさんの突然の提案に唖然としているとこう続けた。



「私が身元保証人になっても半年は監査が付くことになる。詰所で説明されるだろうけど、制限もある。例えば一人で街の外には出れない。たしか12歳だったよね?ギルドで冒険者として登録すれば一人でも街から出られる。けど他の街や村には行けないけどね。」


「なるほど、私に何か怪しい所が無いか確かめるためですか」


「そうだね。でも未成年だから厳しくしているってのもあるから」



 昔、この街では子供を利用した犯罪組織が蔓延り治安が悪化。領主が率先して犯罪組織を潰し二度と子供を利用されないように子供を保護する法を強化した。大人なら2ヶ月で良いそうだ。


 本来なら孤児院に預けられるのだが隣の領地から難民が流れ込んできて孤児院も満杯な為に私をどうするか役所は頭を悩ましているらしい。最悪自警団の詰所か役所の隅っこで過ごすことになりそうだった。

 しかしそれを聞いたベルさんはそれなら家で預かると名乗り出てくれたそうだ。天使か。外見も天使だ。



 そして私はその申し出をありがたく受けて晴れてベルさんの家にお世話になるのだった。



 これは私に家族(仮)が出来た話。



 でもまだひと波乱あるんだなぁこれが。







 家族(仮)。だってまだ自己紹介も終わってないもの。

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