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Primitive Skies  作者: ICBS01
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1日が24時間しか無いのは神様の嫌がらせだと思う

朝起きて、やるべきこと。


それは人それぞれに、あったりなかったり。

聞く話によると、頭をスッキリさせるために、一杯の水を飲むって人が意外に多いんだとか。


で、俺の場合は、何をするのかというと――


『ジリリリリ……』


目覚ましのベルを鳴らすことだ。

……ただし、声で、な。


だけど、俺は目覚まし時計じゃない。

そらそうだ。

目覚まし時計が眠ったり、こうして思考したりするわけがないからな。


でも、人間ってわけでもない。

朝起きて、いきなりジリリリリなどと奇声を上げる奴がいたなら、そいつは即刻、頭の病院にいった方がいいと思う。


なら、俺は何者なのか。


『ジリリリリ……』


「うるさい、ソラ」


そこで布団にくるまりながら、不機嫌そうな表情を浮かべている少女が言うとおり、俺はソラ。

人間でも、目覚まし時計でも、ついでに言えば狐でもない、単なる『デバイス』だ。


見た目は……そうだな。

一言で表現するなら、直径30cmくらいの"お皿"だ。

円盤と表現してもいいかもしれないが、個人的に皿って言葉が好きでな。

……いや、別に、そこにいる少女の名前に似てるから、って訳じゃないぞ?


『おい、サラ。起きろ。朝だ』


「もう、あと、10分だけ……。昨日、寝るの遅かったから、微妙に辛……zzz」


『昨日もテラたちと、夜遅くまで遊んでたからな……』


喋っている途中で、再び夢の世界に旅立っていった、こいつの名前は、サラ。

Sara=Aveldistarna=Eye。

そんな長ったらしい本名があるんだが、ここ日本では、諸事情があって、普段は『佐々木 瞳』と名乗っている。


で、今、話に出てきたテラって奴なんだが……こいつがまた色々と面倒なやつで、説明すると長くなるから、追々紹介しようと思う。

真面目に説明を始めると、それだけで無駄に長い物語が書けそうなくらいに、面倒な事情を持ってるやつだからな……。

名前の雰囲気で分かるだろ?

サラの姉妹だ。


まぁ、それは置いておいてだ。


『ほう、起きないと?』


俺に任せられた役目は、何がなんでも、サラを朝7時までに起こすこと。


そして、今は…………8時半だ。

やべぇ……寝過ごした……。

だから、普通の時計を使えっていつも言ってんのに……。


まぁ、やっちまったことは仕方ない。

問題は、これからどうするか、だ。


目覚まし時計のフリをしても起きない。

直接声を掛けても起きない……。


ならどうするか?


シャァーッ……


カーテンを開けて、


ガチャッ……


窓を開ける。

これだけで、外のスッキリとした日光と空気が入ってくるから、目が覚めるってもんだろ?

少なくても、俺はそうだ。


……因みにデバイスである俺には、手も足もない。

もちろん、どっかの誰かのように、体中から触手が生えているわけでもない。

じゃぁ、どうやって窓を開けたのか?

重力を操ったのさ。

それが俺の『デバイス』としての機能だからな。


で、だ。

結果はというと――


「…………zzz」


ダメだ……。

サラのやつ、起きる気がねぇ。


えーと?

今日のスケジュールは何だったっけなー。

……爺どもと9時にミーティングか……。

そうかそうか……。


やべぇ……。



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