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第17話 ミナト元帥は優勝したい?その7 

キャラ紹介


ミナト・ナツメ

本作の主人公兼大部分の語り手。ひょんなことから下っ端→元帥になってしまう戦士。身長160センチ。体重45キロ。黒髪ショートボブ。本人曰くザ・平均的な見た目。あらゆる適正値がずば抜けて低い。かなりのオタクで、可愛いキャラクターが大好きな変態。アニメや漫画の見過ぎで心の声がめちゃくちゃ多い。


シノン・ソラキ

第36代 インターナショナル・アーミーズ元帥。くじ引き元帥決めの元凶。前例がないような突拍子もない思い付きによる改革で組織を指揮した天才。身長171センチ。体重49キロ。パープルヘアーのポニーテール。細身の絞られた身体。美人。低音ボイス。戦闘能力も組織においてずば抜けているとの噂。


ナナミ・アキカゼ

一等戦士監→軍師。高飛車な性格の魔法少女。身長145センチ。体重30キロ。金髪で腰のあたりまでのロング。様々なオリジナル魔法を使えるが技名が全部青少年期特有のあの感じ……。


※本作品は現実世界の未来寄りの世界観かつ別世界です。ゆえに登場する事象(用語・単位等)は、現実世界のものと同じ場合が多いです。

※本作品はキャラクターの独白やキャラクターの持つ主観が多い場合がありますので、予めご了承ください。


 何を焦る必要がある。死にはしないのだ。私が出せる(そもそもあるのかさえ不明な)全力を以って相対せば良い。結果など残せるわけはなくとも、元帥として! 心に残る名試合というやつをしようではないか。


 なのにどうして……。私の足は震えている? 




 なんでもおっけー戦 本戦 第一試合   


 元帥 ミナト・ナツメ vs 一等戦士臣 シノン・ソラキ




 目の前にシノンさんがいる。ただいるのではない。戦うのだ、これから。


 なんでもおっけー戦はその名の通りどんな武器を用いても、どんな魔法を使っても良い。その代わりどういう戦い方をするかを前もって相手に自己申告するのがマナーだ。


「素手だ。武器も魔法も使わない」


 私はシノンさんにそう申告された。驚きもしなかった。抱いたのは〈疑い〉である。


 私のことを知る人の目にはシノンさんがかなりの舐めプをしようとしていると映るだろう。しかし、いかに彼女が強かろうと、いかに戦力差があろうとも、彼女が手を抜くということはないはずなのだ。そして負ける気もない。私にわざと勝たせて花を持たせようとか、「新元帥実は強いぞ」みたいなアピールをすることもあり得ない。


 つまりこれには裏がある。彼女なりに狙いが存在するはずなのだ。ならばチャンス。彼女のやりたいことさえ見えてくれば、相手の裏を書くことだってできる。そうやって全て晒された表の試合というやつでは、前評判をひっくり返すことだってできるかもしれない。


「それで、そちらはどうする」


 色々考えてみたもののこの問いの結論を出すことは難しい。結局勝てるかもって可能性がナノレベルで増えただけで、実力差が武器や魔法の有無うんぬんで埋まるものではない。第一武器は使っても相手にろくに当たらないし、魔法もろくに放てない。ならば……。


「こちらも素手でいきます」


 会場がどよめいた。


「あ、あん、いや元帥! 何考えてるのよ!(マイクを通して)」


 実況席が野次を飛ばすなよ。ん? なんか今心にグサッと来たような……。


 私の宣言に対してシノンさんは顔色一つ変えない。まるで最初からそう言うと分かっていたかのように。




 試合開始と共に彼女、シノンさんの右手は私の眼前にあった。


 大きく揺れる足元、シノンさんの(魔法効果ではなく本人の自力だけに依る)瞬間移動の衝撃波だ。そのおかげで足場が崩れ、右斜め前方にこけた。間一髪左頬をパンチがかする。


 地面にぶつかろうとしたとき、見える影の大きさに気づいた。また瞬間的に動き、第二撃を私の背面に打ち込もうとしているに違いない。


 右頬を掠った。しかしそれはシノンさんのパンチではない。突如地面の一部土の塊が垂直に上がってきたのだ。これも衝撃の余波だろうか。


 「うっ」と漏れた声が聞こえた。さっきの土塊がシノンさんにヒットしたのだろう。


 受け身も取れぬままこけた私は、痛いのを我慢してすぐに起き上がった。つもりだったのだが、やはり次の、今度は左ストレートが迫っている。


 まずいこれは今度こそ確実にヒットする。私は思わず目をつぶった……。


 ん? 当たってない? 恐る恐る目を開けるとシノンさんの拳が私の額の前で静止していた。


 コツン。


 デコピン? 


 爆散した。私の体が。どう……なっ……。




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