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「いやー。始まりましたね。志望業種は――魔法少女で!外伝 すごいよ!コロネちゃん!」
「いきなりでみんなついてこれているかしら」
「そんなこと気にせず、レッツパーリィ!だぜ!」
「本当にハイテンションよね」
ゆずは溜息を吐く。
事の始まりは一時間ほど前に遡る。
「なに?コロネ。朝から。え?練習?家に来いだって?」
突然コロネから電話がかかってきたゆずは戸惑う。
「仕方ないわね」
「色々と割愛してんな!」
「い、いいじゃない。こんなところで色んな描写に力を入れても仕方がないでしょ」
「で、なんでワタシたちはこんなことしてるんだ?」
「オーディオコメンタリーの練習でしょう!?」
コロネとゆずは小学生でありながら声優なのであった。そして、今日はコロネの家でオーディオコメンタリーの練習をすることになったのだ。
「ところで、オーディオコメンタリーってなんだ?」
「呼び出したの、アンタでしょうに」
ゆずは呆れて溜息を吐く。
「簡単に言うと、アニメのDVD特典とかにある副音声で解説をしているやつかしら」
「つまり、あれだな。大晦日の紅白であんなひとやこんなひとが――」
「ストップ。確かに奈々様のときは凄かったけど、NHKの圧力は恐ろしいから」
「具体名を出してもいいのか?」
「はっ」
ゆずは思わず口を押さえる。
「そんなお茶目なゆずに質問だ!NHKとは一体何の略だ?」
「日本ほうそ――」
「ぶっぶーだ!NHKの会員のくせに間違えるなんてダメダメだな!」
「は?じゃあ、答えは何だっていうのよ」
「日本貧乳協会」
ボコスカ。
「私が貧乳なら、コロネも貧乳でしょうに!」
「ワタシはゆずよりちょっとあるぞ!成長期だからな!」
「絶対嘘。アンタの方が小さいもの」
「じゃあ、脱いで確かめるか?」
ガサゴソ(衣擦れの音)
「やめなさい!」
「ちなみに、胸の大きさというのは色々とあってだな、まあ、基準がだが。カップの大きさが全てというバカがいるだろうが、あれは胸の容積とも言える。つまり、タレチチでもカップ数は大きくなるわけだな。そして、バストというのはおっぱいを含めた胸の周りの大きさだから、胸を除いた部分も含まれるわけだ」
「やけに詳しいわね」
「ま、この小説を読んでいる奴はロリコンだから、関係はないけどな!」
「すごい風評被害!」
「とにかく、オーディオコメンタリーの練習なんでしょう?」
「そうだ。だが、一体どうするんだろうな」
「先輩のお話を聞くと、完成したアニメの映像を見ながらコメントしていくみたいだけど」
「え?あんな線ばかりの映像を見ながらコメントするのか?シュールだな!というか、あんなの、放送できるよな!鉄腕バーディーデコード2よりひどいな!」
「具体名は出さない!それと、私たち声優が見てる映像はまだ作りかけなの。そもそも声優が完成されたアニメ映像に声を吹き込むことなんて滅多にないんだから」
「映画の吹き替えくらいだな。海外の」
「そうね。というか、コロネ。やったことあるの?」
「あるぞ!というか、ワタシはそっちから入ったからな!初めは結構大変だし、口に合わせて声を出さないといけないから大変だ。アドリブで無理矢理尺を稼いだときもあった!」
「く。見せつけてくれるわね」
「私たちはオーディオコメンタリーが初めてだから、練習してるけど、具体的にはどうすればいいのか」
「お手本を見ればいいじゃないか!」
「コロネのくせにナイスアドバイスね」
ゆずはDVDのオーディオコメンタリーを見る。
『さて、オーディオコメンタリー、始まりました。お相手は、城ケ崎幼女と』
『古畑島根でお送りします』
「うわー。古畑さんだ!」
「いや、相手の名前、突っ込めよ」
『ジョジョちゃん。最近調子どう?』
『どうってどういうことですか?』
『先週20回目の17歳の誕生日だったじゃん?』
『もう。実年齢分かっちゃうじゃないですか』
「なあ、これ、なんなんだ?」
「城ケ崎幼女先輩。ロリキャラ専門とさえ言われる大御所よ。素の声からものすごくあざといのが特徴」
「おもいっきし、貶したな!」
「とにかく、初めは自己紹介から始めないとね」
『おお。早速必殺技だね。これ、エネルギーとかどうなってるんだろ』
『幼女、バカだからわかんなーい』
カタカタカタカタ。
『推定質量、大きさから得られる空気抵抗、摩擦とその後の爆発から察して……って、何するんですか!フルボトル振らないでください。科学者モードに入っちゃうじゃないですか!』
『この前ね、限定フィギュアを買いに行ったんだけど、もう朝からいっぱい人が並んでて――』
『無視しないでください!』
「アニメのシーンを見てコメントね」
「一ミリほどしか触れてないぞ!内容に!」
「かなり自由ね」
プルプルプル。
「おお?古畑からだ」
「え?コロネ。なんで古畑さんの連絡先知ってるの?というか、呼び捨て?」
「どうした?古畑」
『いや、コロネちゃんたちがオーディオコメンタリーの練習をしてると虫の知らせでね』
「ああ、そういうの、よくあるよな」
「あるの?ない私がおかしいの?」
『悩んでいるかもしれないお二人にアドバイス。オーディオコメンタリーなんて、大抵声優同士のおしゃべりで終わっちゃうからさ、気楽に行っていいよ。もし会話が詰まりそうだったら、紙かなんかに質問内容を書き出しておくといい。まあ、書いた内容の半分も終わらないだろうけど。三十分って短いからね』
「ところで古畑。今何してる?」
『いや、休日を楽しんでいるけど?』
「フィギュアをしたから覗き込んでか?」
『……』
ツー。ツー。
「古畑さん、怒って切っちゃったじゃない」
「いや、あれは図星だな」
「さて。そろそろエンディングとなりました!」
「ええ?そうなの?」
「さて。ここからはワタシの文句だ」
「ほどほどにね」
「何故まだ本編組に合流できていないのだ!というか、あとどれほどかかるんだ!ワタシの出番は、どうなるんだ!」
「その救済措置としてのこのコーナーじゃ……」
「もっと魔法少女として活躍させろ!どーんで、どひゃーんで、ずぼーんだぞ!」
「何言っているのか分からない。とにかく、本編を読んでない方にもお楽しみいただけるような、そんな作品を目指します」
「作者、連載をいろいろやり過ぎじゃないか?本当に最後まで終わらせる気があるのか?」
「確かに、もう連載中作品が片手で数えきれないほどになっているけど。異世界ものは当分お休みかと思いきや、最近新しいものを考えついて困ってるもの」
「いや、ふと思うのだが、二次創作とか大歓迎です的な小説あるじゃん。ネット小説で。でも、そんなの誰が書くかっての。逆に、続きが忙しくて書けないなら代筆しますよーの方がいいんじゃないか?」
「作者それすると死ぬでしょ」
「そもそもに作者色に染まるからな。絶対無茶苦茶になるぜ。とにかく小説は暗くなるもんな」
「でも、本編の『志望職種は――魔法少女で!』はそんなことないんじゃない?」
「はてさて。魔法少女ものって、大抵暗くなるからな。きっと何か起るぞ!」
「さて!今日はここまで!アデュー!」
「無理矢理締めたな」
第六羽くらいのお話。コロネちゃん合流とともにゲストキャラも増えていきますが、今はキャラが少ないのが玉に瑕。
本編が一羽終わるごとに更新していきます。




