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城内RPG②

皆さんこんにちは!前世暇人乙女ゲープレイヤーのリディアです!前回に引き続き心の声から失礼します!

前回、図書館に行こうとしたのですが…何故か攻略対象の1人であるギルド・アレクシアードにばったり会ってしまったのです!会話をするうちに多分?好感度も上がったのですが…問題はそこから!彼に図書館へ案内してもらうことになったのです!しかし無口な彼とは依然気まずい空気が流れるだけで…

うぅ…気まずい…

図書館へ案内してもらうことになったのだが…私と彼、ギルド・アレクシアードは常に一定の距離を保ち、更には喋らず、かれこれ5分城内を歩き回っていた。

気まずー…やっぱりなにか話しかけるべきだよね…


「あ、あの…ギルド様…なにかご趣味などはありますか?」


前を歩く彼が一瞬ピタッと歩みを止める。

だが…また歩き始める。


ギルド

「さっきもお話した通り造園が趣味です…あとは…」


「あとは?」


彼は私よりも20cmほど背が高い。たしか公式設定だと…178ぐらいだったっけ…やばい…背高いイケメンとかドキドキする…

そんな私を横目にギルドは口を開いた


ギルド

「読書…ですかね」


「では、王室図書館はよくお使いになられるのですか?」


やった!自然に会話を繋げられた!

でもギルドは私の質問にいつも5秒以上の間がある。

会話のキャッチボールが上手くなりたっていない。


ギルド

「少し…ですが…」


ギルドが全てを言い終える前に私たちは図書館に着いたようだった。やはりお城の中のドアは全てが大きい。


「うわぁ〜やはり大きいですね!」


ギルド

「驚くのはまだ早いです」


ギルドはそう言って両手で思いっきり、かつしなやかにドアを開けた。

図書館から差し込む光が眩しい…思わず私は目を瞑った。


ギルド

「どうでしょう…ご期待には添えましたでしょうか?」


ギルドの言葉と同時に私は目を開ける…

そこにはこの世のものとは思えないような大きな図書館が映っていた…

ビル4回分はあるであろう大きな図書館…

吹き抜けになっていてその天井には魔法陣がデザインされた大きな天井窓がある。

奥には大きな銅像があり、本を読む人々を見守っている。

壁一面に置かれている本棚は古今東西、色々なジャンルの本が置いてあるようだ。

ただ…時間帯のせいだろうか、中には人っ子1人いないようだった。


「誰もいないですね…」


ギルド

「いや、たぶん…」


彼はなにか言おうとしていたが、途中で諦めたようだ。

あ、そうだ!お礼をわなきゃだね!


「ギルド様!送って下さりありがとうこざいました!」


ギルド

「そんな…感謝されるようなことなんて…」


「いえいえ!充分です!おかげでまた1ついいことを知れました!あ、そうだギルド様!もしこの世界のべん…」


??

「勉強をするなら何から手をつけるべきでしょうか?」


私が言い切る前に何者かが割り込んできた。その凛とした声はいかにも図書館に居そうな頭脳派キャラだ…て、ん?頭脳派?

まさかと思いつつも私はゆっくりうしろを振り向く…


??

「きみは…あぁ、あの公爵家の…」


あちゃー…やっぱりか…まぁここは諦めて挨拶ですよね…


「お初にお目にかかります。リディア・ローズデリアと申します。」


頭脳派キャラには頭脳派として挑むべき!それが乙女ゲーの…多分基本だ。


??

「噂は聞いている。私はアイル・ステレインだ。」


アイル・ステレイン⎯⎯⎯⎯⎯⎯。この国の宰相の息子で、みすらず随一の頭脳派キャラだ。彼の公の場で紡ぐ一言一句は階級に関わらずたくさんの女性を虜にしていた。

にしても…やっぱりメロいな。

長い髪、泣きぼくろ、立ち振る舞い…全てがメロいのが彼だった。


アイル

「して、なぜ公爵家のご令嬢がこんなところに?」


「え、いちゃだめなんですか…?!」


アイル

「いや…いい、それはやめておこう」


そうだ…アイルは知っているのだ。彼は作中随一の頭脳派。噂話などでリディアの境遇ぐらい知っているのだろう。

リディアは淑女としての作法、言葉使い、そして聖女としての魔法の扱い方、祈りの仕方しか教えて貰っていないのだ。

確かに、そんな令嬢が図書館に来るなんてありえないよね…

いや、でももう私はか弱いリディアではないのだ!これからは強く!逞しく育つのよ!


「アイル様、私は学びたいのです。どうかお許しくださいませんか?」


冷静に、慎重に、悟られないように…やばい、今まででいちばん緊張する…


アイル

「…私に止める権利などない。だが、一体君は何を学びたいんだ?」


…あ…考えてなかった…


アイル

「その顔じゃ考えていなかったようだな」


「なんでわかったんですか?!」


アイル

「君は分かりやすい。よし着いてきなさい。私が教鞭をとってあげよう。」


アイルはさっきよりも砕けた言葉、態度、声で私に着いてくるよう促した。それに…心なしか笑ってくれているような気がする…


ギルド

「さっきから…もしかして僕のことをお忘れなのですか?」


「ああ!いや、そういう訳ではなくて…」


アイル

「君も本を読むのかい?意外だね」


ギルド

「読書は趣味です。」


なんだかこの2人…仲良しそう?!ゲームでは接点ないように見えたのに…

にしても…ギルドがさっきよりも動揺してる!これは好感度アップのチャンスかも?!


「ギルド様とアイル様は仲良しなんですね!」


ギルド

「いや、そういうわけでは…」


アイル

「ああ。仲は至って良好だ。」


なんだか兄弟みたい…それに心なしかさっきまでの空気が一変して暖かくなった気がする…これから楽しくなるのといいな!


そうして私とギルド、アイルの3人の図書館での日々が始まったのだ。


───────────────────────

「アイルさまぁ…これ難しいです…」


アイル

「あぁ、これか、ここは大陸の…」


あの日から1週間、私はこの世界の政治、歴史の勉強に力を入れていた。この世界だと1番魔法と関わりが多いのがそれなのだ。魔法しか知らないリディアにアイルはやさしく教えてくれた。

しかも…日を追うごとにメロ差が増していた。

いや、確かに?ゲーム本編でも主人公に惚れる度アイルはメロくなっていった…でもさすがにこれは早すぎる…


一方ギルドは黙々と植物に関する本を読んでいた。

相変わらずイケメンだが少しずつ笑ってくれる時が増えた。しかも前よりも明るく接してくれるようになったのだ。


「ギルド様はなにを読まれているのですか?」


ギルド

「今はバラについての本を。珍しい色の花を咲かせたいのですが…これが難しく…」


話してる時、少しだが微笑んでくれる。でもやめてくれ!リアルで、それも真近に見てると私が倒れてしまう!!

こちらも主人公に惚れた時の特別仕様。だんだん笑顔が増えていくのだ。


2人とも…早すぎるよ…

だが完全に惚れたという訳ではない。ゲーム内ではクリア条件が少なくとも二つある。

一つは攻略対象の悩みや苦しみの部分を一緒に克服すること。そして二つ目は花の魔力を取り返すこと…

どちらもまだ何も触れてはいない。入学の日以降に進めればいいだろう。


それにしても…さすがにこの世界の制度とか歴史とか諸々難しすぎる!

前世の世界って優しい方だったんだ…

不意に思い出す記憶…どれも懐かしさを覚える。

私急にいなくなっちゃったんだよね…

家族は悲しんでないかな…生徒会の仕事まだ引き継ぎできてないのに…将来の夢だって…

いや、やめよう。これ以上考えたってもう仕方の無いことなのだ。


「よし」


気を紛らわせるために席を立つ。

アイルは読みたい本があると言ってこの広い図書館に消えていった。

ギルドもこれから予定があるので。といって茶菓子だけ置いていき図書館を出ていってしまった。

いまなら誰もいない。少しくらい勉強から離れたっていいだろう。


何かいい本ないかなぁー…そうだ!恋愛小説とか読んだら気は紛れるかな?

とは言っても、このだだっ広い図書館から好みの恋愛小説を探し出すのは至難の業だ。

多分これは…長い戦いになるな…


本棚にある一つ一つの本のタイトルを読んでいく…


「ミリと小さな猫たち…東方冒険奇譚…大陸植物百科事典…」


目と頭が痛くなる。一応リディアとしての記憶があるためこの世界の文字は読み書きできる。しかし、前世の世界の字の名残もあってか頭で理解するのは少し時間を要する。

頭がこんがらがる…これだったら英語の方がましかも…

だが諦めてはいられない。恋愛小説を探し当てるまでは帰れないのよ!


「恋愛…恋愛…っあ」


本を探すのに集中しすぎていた…ドンッと少し鈍い音がして一瞬よろけてしまう。誰かにぶつかってしまったようだ。


??

「危ない!」


そう叫んだ相手はよろけて倒れてしまいそうな私の腰に手を回し、自身へと近ずけさせる。


??

「君はほんとに危なっかしい…」


反射的に閉じた瞼をゆっくりと開ける…開けた途端、目の前には淡い紫色の瞳が光り輝いていた。

今動けば唇が触れ合ってしまうのではないのかという距離…心臓が脈打つ音が早く感じる。

やばい…さすがに近い…

恥ずかしさのあまり私は彼を押しのけ1歩、また1歩と距離をとった。


「すみません…前方不注意でした…」


アイル

「無事でよかった…君はつくずくわたしを驚かせる」


本当に焦ったのだろう。アイルのメロい余裕のある顔は崩れ、代わりに困惑と心配の入り交じった顔をしていた。


「すみません…アイル様にとんでもないことをさせてしまいました…」


アイル

「とんでもないこと…?」


「ええ…その…」


さすがにさっきの体制はヤバかった…顔が赤くなる


アイル

「いや、あれはとんでもないことではない。私も一応男だ。女性の危機はなんとしてでも阻止しないといけないだろう。」


…え、まって?!これじゃああからさまに私がそんな風にあなたを見てます!って言っちゃってるようなものじゃない!

バカバカ私!こっちが惚れるんじゃなくてあっちを惚れさせるの!

そうね!一旦平常心平常心!


「本当にありがとうございます!危うく怪我をしてしまうところでした…」


思いっきり頭を下げる。今こんな真っ赤な顔を見られたら開始早々私のゲーム攻略ライフが終わってしまう!


アイル

「そんなに頭を下げなくてもいい。それに、君はなにか探していたのではないか?」


そうだ!恋愛小説!


「今すぐ、恋愛小説のある棚に案内していただけませんか…?」


アイル

「あ、ああ。構わないが…」


そう言ってアイルは私に恋愛小説のあるコーナーへと案内してくれた。


うぁー!すごい!たくさんある…!私は目を輝かせ、思わずにやけてしまう…

そんな私を見てかアイルは呆れた顔をしながら私に話しかけてきた。


アイル

「私は今までたくさんの種類の本を読んできたが…唯一分からなかったのは恋愛小説だ。」


「え…」


そう言いながらも私はわかっていた。ゲーム内でも彼は恋愛とは何かをいまいちわかっていなかったのだ。


アイル

「私たちの両親が結婚するのは利害の一致だ。政治、金、能力、間接的な利益…そこに愛などない。君も…あぁ、すまん。口が滑った。」


多分…ジルギースのことだろう。彼も私と婚約、誘拐犯からの救出も全て国益のためと言っていた。


「いえ…わかっているのでいいんです。」


アイル

「…そうか。それなら、なぜ自分から恋愛小説を取りに行く?言ってしまえばもう君とジルギール殿下との婚約は決まっていることではないか。

もしかして…今尚恋愛に興味があるとでも言うのか?」


「いやぁ…そうではなく…」


アイル…そうじゃないんだ…!ただ自分がキュンキュンしたいだけなんだ…恋の成立は決まっている主人公を自分に見立て、イケメンに言い寄られる…これ以上の幸せがあるのだろうか。


アイル

「君の顔からだいたい察しは着く。世の女性はやはりそういうものが好みなのだろう。」


「たぶん…そうですね…」


アイル

「…恋愛は楽しいものなのか?」


唐突な質問だ。彼の意図が読めない。単に自分の知りたいという気持ちが勝っているのか…はたまた体験したいという気持ちか…いや、どちらにせよ答えなければいけない。


「恋愛は楽しいです!でもやっぱり苦しいです。」


事実だ。でも苦しいなんて言わない方が今後のためだったかもしれない。不意に視線を足元へと落とす。

失望させちゃったかな…

でも私の予想に反して、彼から帰ってきた言葉は私の想像をゆうに超えていた。


アイル

「そうか。ならしてみる価値があるかもな。」


恋愛フラグが立ったのだ!彼に恋愛したいという気持ちを芽生えさせることができた。

恋愛小説も見つけられて、アイルの恋愛フラグも立たせて…?一石二鳥じゃない!やるじゃん私!

小さくガッツポーズをする。


その時だった⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯。


従者

「リディア様、ジルギース殿下がお呼びでございます。」


なんと、攻略対象の1人、しかも1番攻略の仕方がわかっていないラスボス、ジルギースに呼ばれてしまったのだ。

皆さんこんにちは!猫缶です!

結構長くて投稿遅くなっちゃいました…すみません!


あと猫缶、我慢できなくて少し恋愛描写入れちゃいました!でも私はこれで満足するような人じゃないですよ!

これからもバンバン入れていきます!


にしても…リディアとうとうジルギースから呼ばれちゃいましたね…これからどうなっちゃうの?!


ということで、次回のおとてん!からもどうぞよろしくお願い致します!

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