第二十三話:友情と『情愛』の『チーム・オケウエー』
翌日の木曜日、1月28日のお昼の時間:
「【貿易西親国ヴェルンライト】にクーデターがーーー!!?」
いつもの屋上でお昼を楽しもうとすると、ヒルドレッドからそんな国際的ニュースの話を聞かされた!
「ええ、今朝のわたくしが早起きできましたから、その時に学生寮の食堂で設置されている【動画表示円盤】だけじゃなくてその前の自室にいた時でも【映像再生クリスタル】からそんなニュースが放送されているのを見ましたわ」
「へえぇ…なんかヤバイっすよな、一国の主導権がいきなり争いで変わるとー」
「ってことは、なにか問題があったのですか、あの国ー?詳しい事情は何も知らないから…」
なんか興味が湧いてきたって感じの顔してるジェームズとジュディに、
「『問題』と言うにはなまぬるい表現ですわよ、ジュディー!何故なら、今のあの国が抱えてきた状況が深刻なんですものー!詳しく説明すると少しだけ時間かかかりますから、みんなは食べながらで聞いて下さいまし、ねー?」
それだけ前置きを言ってくれたヒルドレッドに対して、従って俺も食事を始めながら聞くことにした!
………………………………………
………………………
「……まさか、ヴェルンライトにそこまで酷いことが起こったなんて……」
辛そうな顔を浮かべるジュディに、
「……以前の私なら、…なんでそんな酷いことができるのか、行動の原理として特定できる『根本的な思考と認識』があるはずだわ…まあ、あの時は別に誰かを虐げようとしてそんなことを考えたり言ったりしたじゃなくて、ただ胸を触られて腹いっせにオケウエーの成り立ちを侮辱しただけのことなんだけど……」
なんか言いづらそうにしているオードリーに興味をひかれた俺は、
「どういうことなんだ、オードリー?」
「だって、今から思い出してみると確かに私も少しだけオケウエーに対して酷い罵詈雑言を決闘だった際に言ってやった気がしたのだけれど、あれは別にあんたがフェクモ人だから虐げようとしたいからか、制度的な虐待を集団で行おうとするから肌色に関する侮辱とかをちょっとだけ私が言っちゃったのではなくて、あの時はただあんたに胸を触られたのが腹が立ち過ぎたからその仕返しであんたがもっと傷ついたり動揺したり苦しむために言ってしまっただけなのだけれど、今改めて考えると、確かに言っちゃ悪かったわねってなってるので、この際で言っとくけれど、あの時オケウエーに口走ってた沢山の酷い言葉、……悪かったわよー!どうか、あの時のことを許してもらえる、……の?」
いつもと同じように、この屋上の地面に高級なシーツを敷いて座っている俺達だけど、俯いてばかりして、俺に許しを乞うように頭を下げてきたオードリーに、
「もういいよ、あんな時のことなんてー!もう忘れちまったからなぁ!はははー!」
ぐりぐりー!
それだけいって俺はオードリーの頭に手を当てて、髪の毛をわしゃわしゃと撫でていて彼女を安心させようと、もう大丈夫だよと伝えるための無難のスキンシップをしてみた!
「~~!?もう、オケウエー~!私はもう子供じゃないから頭ぐりぐりするのやめてよね~!?うぅぅ……(でもなんか気持ちいいようなぁ、もっとしてほしいようなぁぁ~~!)」
俺のなでなでに対して恥ずかしくなったのか、少しだけ耐えて見せた後、すぐさま俺の手を退かせた。
「で、ヒルドレッド嬢さんの話によれば、昨日のヴェルンライトに新国王となったばかりのあのカールっていう少年の発表の内容には、昔からマジでヤバイ『フェクモ人虐待と奴隷売買』だけじゃなくて、聞くのも恐ろしい【人体実験】までも盛んだった事を明かした彼に、これからはその償いの一環というか、前国王の過ちを正して、そして【南地不干渉条約】の署名国として反省の意を示すお詫びの枠組みにして、解放させていく全てのフェクモ人奴隷を隣のブルークラール連邦に帰したり、入国させる賠償として金を払ったりして、あの隣国の事情と判断に任せて彼らをフェクモに戻すよう船を出してもらうなり、国内で市民として暮らさせてやるなり色々な対応を彼らに一任して、これからはそんなことがもう起こらないようにと、これからは一切のフェクモ人を国内に入国させないようにするって言ってたんすよなあー!?」
ジェームズの問いに、
「ええ、恐らくは国内にあんな酷い扱いから開放した『立場の弱いフェクモ人』をこれからまだ『対等な市民』として滞在させる場合もありそうなんですけれど、国際に向けての世間体を保つべく、【南地不干渉条約】の署名国の一国としての建前も必要だからか、他国を欺けるようあえて『これから一切のフェクモ人の入国と交流を禁止する』って言いましたでしょう………」
実際に、ヒルドレッドから聞いた、あの新国王の14歳のカールが言ったように、今まで密入国させてきた『立場の弱いフェクモ人』全ては【魔術と精霊術の才能なし】の者ばかりで、【ブルークラール連邦】にいた頃は移民として何か借金を抱えるようになったり、上流階級とのトラブルにより、あるいは力のなさが故に、ヴェルンライトの犯罪組織とかに誘拐されてヴェルンライト国内で奴隷の身分となったっていう経過した過程があったらしいので、解放されてもトラウマを負ったまま廃人になることも予想されそうなので、カール現国王が彼らのような人の面倒をするため、秘密裏に王城で匿ってトラウマをすべて癒すまでに養って精神的ケアーをしていくつもりなのだろう…………
「でも、この話を通して、オケウエー君も初めて知るようになったのよねー?この北大陸【ギャラ―ルホールツ】には正式に、公式の周知の事実として、一つの国だけが【南地不干渉条約】に署名せず、その国である【ブルークラール連邦】にだけフェクモからの人が堂々と入国できたり、移民になったり、地元の人と交流できたり、外交を持てる唯一の国だっていうことに……」
クレアリスにそんな事を言われたので、
「ああ、でも【ブルークラール連邦】にはヴェルンライトみたいな【フェクモ人差別】がないのか?さっきのカール現国王の発表だと、ヴェルンライトには王位の座から蹴落とされたソランセン前国王がフェクモ人を良く思ってないからあんな酷いことができたんだけど、【ブルークラール連邦】にはああいう考えを持った輩もいないのかなー?」
俺の疑問に答えるように、次にヒルドレッドが、
「あるにはあるけれど、恐らく少数派ですし、そして何よりもあの連邦の上層部にいた3大都市の町長の役割も努めている【3大都市国家大臣】からすればフェクモ人を差別したり見下すような政策は取っていないはずですわ。何も、『人間にはそれぞれの役割があるから、別に肌が違うとか、魔術が使えないってだけで騒ぐのがナンセンスだ』って考えの者ばかりいるらしいですわよー」
「なるほど!つまり、ヴェルンライトの前国王達にだけ、さっきのオードリーが言ってたような『根本的な思考と認識』に基づく【フェクモ人観】を強く持っていたってことなんだよなー?」
「ええ、そうわね……」
俺の漏らした言葉にオードリーが答えた。やっぱり、南大陸に生まれながらにして最初から魔術と精霊術が全く使えない環境に住んでいくことで、そしてそれと同時に肌色も違うとなると二つの関連した要素が一つになれば、逆の肌色と別の大陸で住んでいるってだけで何もかも持っている北大陸こそが【選ばれし者】ばかりが住んでいていいという歪んだ考えを持つようになり、それであんな偏った【フェクモ人観】の元で平気で数々の残忍なことができたってところだよな、前国王ソランセンとその賛同者…………実際に、ここの精霊術学院にも【呪われし大地】って俗称がついてるぐらいだし、人間って恵まれている環境にいる人だけが恵まれてない環境に育った人間に対して優越感を享受したいって悪趣味が付き安いものなんだろうなぁー……
「でも、たまにヴェルンライトにだけそんな理不尽な【フェクモ人差別】があるだけで、連邦ではフェクモ人を劣っている人種だって思わずに、『人それぞれ』だって普通に貿易相手として、交友相手としてフェクモ人を対等に扱う人が多そうなイメージがあるので、もしかしたらオケウエーさんがあそこへ行ったらきっと英雄扱いされそうですよねーー!?」
「はは、この間はあの【新型剛力級】まで倒しちゃったってニュースもあそこへ既に届いたんだろうな?だから、きっと連邦在住のフェクモ人全てにオケウエーの野郎の成してきた功績を聞いて自分でも僅かだが大出世するチャンスもあるんじゃないかって希望的になり、ロールモデルにできるんっすよねーー!?この英雄っ子野郎ー!このこのー!」
俺の肩に腕を回してじゃれついてきたジェームズに、
「あぁ、ちょっと~!ジェームズ!?何やってるんだよ暑苦しいぞー!?」
「はははーー!!大人しく男同士のスキンシップをされろー!今まで友達一人もいなかったんだろう、フェクモにいた頃はー?」
確かにそうだな。
でも男友達にじゃれつかれていた経験が今までになかったので、慣れないってだけかも……
しかし女性は別だけどな。肌と肌との交流において生物としての本能はいつも異性を求めてるしね。
「ところで、『漆黒の魔王君』~?うちは【グランドブードリック大王国】出身だから西方の情勢に詳しいので学んできた情報によれば、今の【ブルークラール連邦】に在住している【フェクモ系】の人間が極少数でありながら人口が今年になってから4500人(4・5千人)に達しているって聞いたの。連邦の総人口は138,500人(14万人)だから、これにて連邦のフェクモ人の人口の割合が2%か2.5%になってるって判明したのだけれど……」
確かにクレアリスってヴェルンライトの隣国の【グランドブードリック大王国】出身者の留学生だっけー?そこら辺の情報詳しそうだもんなー。
「ですから、もし機会があれば、オケウエーさんがもしも連邦に滞在することになれば同じフェクモ人の友達を見つけられるってことなんですよねーー?」
ジュディからそんな言葉を聞くと、
「さっき僕が男同士だからって気軽にじゃれつこうとしたら冷たく突き放されたし、もしかしたらオケウエーって同じフェクモ人同士の男友達の方がいいんじゃないかって勘ぐっちゃう程に傷ついちゃいそうっすよ、僕~~!しくしく……」
ジェームズの女々しい文句に対して、今度は俺からー!
がしーー!
「んなことねえよーバカー!俺はいつでもどこでも『どんないい人』とでも対等に交流したり、友達になっていけるんだっつのー!肌色は関係ないからなー!」
俺からジェームズの肩に強く腕を回してゆさゆさ揺らしてると、
「~~!オぉーゲエーヴェ~~!ヴ嬉しいっすゥよぉ~!」
涙ぐみながら感極まって俺の背中に腕を回してきたジェームズ!!
…………………
「あ~はははは……男の子同士の友情ってなんだか見ていてほっこりしちゃうですねー?」
「ふふふ、そうね。両方とも可愛い顔を浮かべてる最中だし、やっぱり同性の友達って別格の味わい深さがあるのね、異性より……」
「もう~~!ちょっと仲良しだからって私達を無視しすぎわよーー!(私だってオケウエーとあ、…あんな…に~~~!)」
「そこの男子二人~!今すぐストップですわー!聞きたいことがありますからー!」
「あはははー!!って、それはー?」
「なんっすか、ヒルドレッド嬢さんー?」
じゃれついていたままくすぐり攻撃を始めたばかりのジェームズだったがヒルドレッドからの真剣な表情に見つめられながら聞かれてはっとなった俺達が反応すると、
「フェクモの【シンドレム森林地帯】にておじさんと二人暮らしの生活を送ってきたオケウエーサンは今まで友達が一人もいなかったって聞きましたけれど、こんな肌色も違うわたくし達ばかりが友達になっていても宜しいんですのー?やっぱり、一人だけでも同じフェクモ人の友達もそろそろ欲しくなるんじゃなくてー?」
ヒルドレッドからの意味深な確認のための質問に対して、俺は迷わずにこう答える、
「ついさっきもジェームズに言ってやったんだが、俺が友達として交流する人間について、人種と肌色は関係ないんだよー?たまたま、自然に俺が始めて北大陸の学院に通うことができた最近のことで、たまたま友達になったお前達が俺とは逆の白い肌を持ってるってだけだから。つまり、お前達の肌が黒かろうが、青かろうが、赤色だろうが、そしていつかこれから何らかのシナリオを通して実際にお前達の肌色が変わっていても、俺達の友情が変わることはないよー?お前達だって、もしも俺の肌色がいつか白いか青いかになった事で態度を変えたり友人を止めたりしはないだろうー?」
「そんなの当然っすよー!「当然です!「当然だわー!「当然ですわよ「当然よ、ふふふ…」」」」」
そう。このように、肌色なんて関係ないんだ。きっかけがあって元々嫌い合う間柄が仲直りして友達になっただけだから、それとも馬が合うだけだから、同じチームとしてお互いをサポートし合うべきだから、もしくは運命の巡り合わせが俺達をお互い知り合うような関係にしてくれたから友人になったってだけ。ごく自然で、ごく普通な成り行きだから……
だって、友人の人種や肌色は選ぶものばかりではなく、大半は【運命】が導いてくれるものだって分かってるんだから!
「でも、なんか男同士でじゃれ合っているばかりで羨まし過ぎますよー!ですから、私も混ぜて下さいねー!」
がしー!
「ちょー?」
今度、俺の左側のいるジェームズが腕を俺の背中に回してきたのと逆の右側にジュディが腰を下ろしてきて、俺の肩に自分の腕を回してきたー!ってー?いきなり大胆すぎるになってんだけど、どうしちゃったんだ、ジュディーー!?
「なら、うちはオケウエー君の膝の上に座っていいのよねー?」
ぱふ―!
「ううおおおーーー!!?」
「ひゅんぐゥ~~!?」
もう訳わかんなんくなってきたー!
だって、だってー!
今度はクレアリスの奴が何の前触れもなく、俺の膝の上に腰を下ろしてきたんだもんー!
しかも、俺のすぐ両側にはジェームズもジュディもいるのだから、余計にカオス状態でお二人の鼻孔にまでクレアリスのこんなにも香ばしい匂いが入り込んできて、はあぁあぁぁあ~~~~ふ~ゥん~っ!
「では、ヒルドレッド嬢、カメラ持ってるんでしょう?早くうちら4人が映るように写真を撮って頂戴」
「まあ、4人だけで撮ってもらおうとするなんてずるいですわ、貴方達ーー!まあ、とってあげないこともありませんけれど、この後はわたくしとオードリーサンの方がオケウエーと一緒に写真を取ってもらう番になりますわよー?いいですわよねー?」
「ふふふ、もちろんよー」
「約束ですからねー?はい、チーズ~!」
「「「「チーズ~~」」」」
笑顔を浮かべ合う俺達だったけど、俺の『あそこ』はもう限界だからクレアリスは早く俺の上からどいて下さいよ、まったくー!というか、隣のジェームズの顔を見れば、
「はあゥうんン~~……」
彼もなんか俺と同様にくらくらしっ放しのようだし、マジでクレアリスの魔性のカリスマ性、クール系キャラならではの余裕と包容力と香しい匂いにやられている様子なんだねー!でも前々から【漆黒の魔王】だのってずっと言われっ放しの俺だったし、クレアリスのお尻の感触を堪能できるのはどうやら俺だけの特権のようで残念だからね~~?はははははは!......
ジェームズに対する優位性を感じながらも、どうやらもうくらくらとしちゃいそうなクレアリスの甘い匂いとお尻の感触に我を失っちゃいそうになると、
「では、次はオードリー嬢とヒルドレッド嬢の番ね」
やっとどいてくれたので、粗相を漏らさずに済んだ俺がほっとすると、予冷がもうすぐなる時刻までに差し掛かったことを腕時計で確認できた!
「じゃ、早く写真とってわよー、クレアリス」
「わたくしの番ですから、ジェームズサンはそこをどいて下さいませんの?いつまでもオケウエーサンにべたべたくっついてばかりではお昼後の授業に遅れますわ」
「あ、はい~!すぐ退くんっすから、怖い顔しないで下さいよ~?」
早く写真を取るべく、クレアリスがあそこで立つみたいだが、
「........あ、あの、オードリー?」
「なに?」
「なんで俺の膝の上に頭を乗せて横向き寝るポーズやってるの?」
「........べ、べ、別に何でもないわよ~~!さっきのクレアリスみたいな破廉恥なのは出来ないまでも、あんたとぉ、あ、あぁ......あ!【あの日】、ぉ...を経て、私もぉ.......あ、ああもう~~!だからクレアリスにだけは負けないわあーー!写真の大胆なポーズにおける見栄えの良さにおいて私だって負けないわよね、オケウエ――!!」
それだけ言ったオードリーは、誰が見てもセクシーな横向き寝るポーズを決めてる最中だった。
……………………………………
……………………
放課後の訓練ホールでの『チーム・純粋なる淑女』に対する【チーム戦】に向けての 猛烈な訓練を終えた後の『チーム・オケウエー』だったが、それから同日の夜の午後10時:30分の【静寂の霊群森 】の中心部にて:
「んむふ~ちゅ!」
「ちゅ~っ!んむふ~んっ~!ちゅちゅ~!」
「ちゅ~っ!んむふン~!ちゅっぱ~~!んちゅ~んむふ~んっ!」
どうやら、無我夢中でお互いにフレンチ・キスを貪っているジェームズとシャルロットがいるのだった。
「ちゅっぱ!はぁ!ハァ!良かったっすよぉ、シャル…僕、君のキス好きになっちゃって離れたくなくなっちゃいそうっすよぉ~」
「はぁ…はぁ…あたしもだよ、ジェームズ。いつかあなたと結婚式を挙げたいとは妄想したいたぐらいだあー…ひゅ~ゥん!ちゅっぱ!」
「でも、その前にまずは僕達の関係をみんなに伝える必要がありそうっすね?なにせ、お前は帝国の人間だからいくらレイクウッド王国と帝国の国際的関係が良好になったとはいえ、これからの僕らの学院生活に影響も出ちゃいそうだし、マジで先に婚約を結んで済ましておくべきっすよねー?」
「うぅん~!ちゅっ!そうだねぇ~!なら、あなた達『チーム・オケウエー』があの【純粋なる淑女研鑽会】を打ち破った後、皆にあたし達の関係を明かすべきだねー?あぁあうんン~! 愛しているよ、『弟顔のジェームズ』~ちゅちゅ~!ちゅっぱ!」
「僕もっすよ~!シャル~ちゅっっぷ!」
……………………………………
……………………
同時刻のクレアリスの部屋で:
「はぁ…はぁ…うぅつ、うふふふふふ~~!なんてものを見せてくれちゃったのよねぇ~え、二人とも~?」
どうやら、自分の部屋に設置されている【映像再生クリスタル】の正面に座って、クリスタルの中に既に挿入した【中継用の小魔石】で以って、もう別の【中継用の小魔石】を通して、現在進行中の生中継で絶賛イチャイチャしてるジェームズとシャルロットの映った映像を見ながら自分も満足させようとするクラアリスがいるのだった。
「シャルロット……うぅんふ~あぁん!君のジェームズに対する思い……『本物』とは程遠く感じるーっはぁあぁうぅ~ん!はぁ…のよねぇ~。罠であるという事も……」
どうやら、さっきのクレアリスがオケウエーの膝の上に座った本当の目的というのは、『どさくさに紛れて、オケウエーの隣に座っていたジェームズの頸部に【中継用の小魔石】を装着すること』だったようだ!巧みな手の振る動きにより、発見し難くて、取り外すの困難で感触も感じづらいステルス性の大きめの魔石をジェームズの首に投げて装着できたようだ。
お陰で、今はこうして生中継でジェームズがクレアリスと接吻を楽しんでいる最中の現場を見ることができたクレアリスなのである!
「前々からぁあぁ~んふっ、違和感を感じてたのゥーよねぇ~ぁあぁん……。でも今ので分かったのよ、シャルロット………君は~あぁあぁん~~んふ!……ハニートラップ要員でぇえぇ~んふ!あのクリステイーナ会長にィ~んふ!取り引きを行っているゥうぅ~~あうぅん~!最中なのねー!」
「はぁ…この辺に……」
もう十分だというように中継を中断したクレアリス。
1分後:
「絶対に阻止してみせるのよ、君達―ッ!ハニートラップで先にジェームズ君を落とさせて、そして真実をいつか明かすことで彼を絶望のどん底に陥れ、その後は自殺か狂いだすはずのジェームズを見てそれで激怒するオケウエー君が決闘の場以外で君達に襲い掛かり、暴力沙汰で学則違反になったのを利用して彼らを学院から追い出すなんて~!イケナイことなのよ、うふふふふふ………」
「だから、イケナイ子には、~【漆黒の地獄】の恐ろしさ、…その片鱗をこれから見せて、シャルロットが怯えてやめることで計画を粉砕してみせるのよー」
それだけいって、珍しく高揚した気持ちを延々と保つクレアリスがクールぶるのを薄くさせ、【大食い食欲】と同様に本来の彼女の貪欲な情欲と獰猛な笑みを浮かべるのだった………
そう、相手を脅すこと自体が得意そうな彼女の恐ろしい女だった【前世の記憶】を思い出しながら………
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いかがだったでしょうか?
実は、作者はラブコメやハーレム漫画もいっぱい読んできたんですが、その度に『友人キャラ』だけ不遇な扱いをされているのを見て可哀想だなって思ったことも何度ありましたので、せめて拙作だけでも友人キャラにおいしい思いをさせてやりたい次第です。まあ、でもこれから物語が続けていくのにつれて主人公オケウエーのハーレムも増えていくばかりですし、ジェームズに少しだけの春を満喫させてもいいですよね?いいですよね?......(汗)
では、次話はクリステイーナ率いる【純粋なる淑女研鑽会】との【チーム戦】の対抗試合の開始になりますので、乞うご期待ください!




