第十八話:チーム戦の基本
同日のお昼の後の1年B組の【精霊術学】の授業にて:
「はいはい~これからの精霊術学の授業に、【チーム戦】について教える時で~~す!では、そこのイザベラー!」
「はい!あたしちゃんを呼んダ?」
どうやら、今回の授業で随分と気合が入ったらしく、先生が生き生きと教師用の段差ステージで白板の前に満面の笑みで立って、教師用の小さなロッドを手にいじっている先生は質問の答える役をイザベラに指名したようだ。
「そうなの~!じゃ、色んな戦闘試合を行う【精霊術士学戦武闘大会】は毎年の秋休みの九月に開催されるのは既に知ってるでしょうから、その前に四月の下旬に行われる【選抜チーム戦大会】も知ってるんだよね~?」
「もちろんだヨ?【精霊術士学戦武闘大会】の前には先に【選抜チーム戦大会】があって、各学年の1、2、3年生の各学年のチーム達が最終的に他のチームを打ち負かして勝ち抜いたら、自分の学年を代表してのチームを九月の秋休みの【精霊術士学戦武闘大会】に参加する資格を得るんだよねネー?他の二つの学年と戦えるようになって」
「ええ、そうよ~。なので、今日は【チーム戦】について学ぶけど、イザベラだけじゃなくて、全員にも聞きたいんだけど、【チーム戦】における【3種類の戦職】とは何なのか、説明できる者から手を上げなさい~!」
「俺だ!」
「はいはい~そこのオケウエー君~!答えてくれるの~?」
「あぁあ!じゃ、その【3種類の戦職】は、『アタッカー』、『ディフェンダ』ー、そして『サポーター』だ。『アタッカー』の役割は全力で敵陣営に突っ込んで攻め落とすこと。で、『ディフェンダ』の役割はチーム全体のディフェンスを第一に考え、全員が最もガードと防御力の強い体制にしてくれる役。つまり、障壁とか防御アップの魔術などをかけて各メンバーの防御力を強化するとか。最後に、『サポーター』は主に『アタッカー』のサポートに回るのが一番の役目とされ、いつでもどこでもチームの『アタッカー』が敵陣営を各個撃破できるように援護するのが仕事だ。これで合ってるよね?」
「ピンポンピンポン~!正解で~す、オケウエー君~~!その3種類の【戦職】で以って、お互いのチームがぶつけ合いながら、どれかが総合的な戦闘力が高めで、あるいは巧な戦術を用いて、リーダーだけを打ち取れる戦術と陣形を工夫して勝利へと導いていけるのがその3種類の【戦職】を如何に上手く配置したり一番に把握する方が勝ちやすいって言われてるわね~~」
つまり、俺達【チーム・オケウエー】もそれを既に考え抜いて、以前のルネヨー・フラックシスで戦った時でも、陣形の先頭にだけ必ず俺とオードリーが前衛を務めるのがベストな戦術方法だ。そして全員を様々な防御系魔術で護ってくれるヒルドレッドを陣形の中心に立たせ、みんなの防御を任せるのが一番効果的な戦い方だって、この前に紙で描いてみんなに議論した際に導き出した結論だ。
「では、この前に結成したばかりの『チーム・オケウエー』なのだけれど、【チーム戦】に関してはまだアナタ達を含む現在の1年生の全チームにまだそれを経験して訓練してもらった事が一度もないので、この放課後にまずはワタシの指導と監視の下でアナタ達【チーム・オケウエー】が初めて【チーム戦】を意識した訓練方法を指導するわね~!もちろん、これはあの【氷竜の討伐任務】にも応用できる練習手法なのだよ~~ん!」
良かった!これでやっと俺達が全員に契約精霊が揃って使役できるようになったまま【チーム戦】の訓練を授業の一環で教えてもらう時が来たー!
「なので、放課後は【チーム・オケウエー】に地下の広~い訓練ホールに集合ね~!すでに学院長に許可を取ってあるから、学院長室にある隠し通路を下っていけるわね~」
今からでも楽しそうでワクワクが止まらない俺にー
ぎゅっと!
ん?何事かと思えば、隣のジュディに振り向くと、
「いよいよですね!」
「ああ……俺達6人に誰もが『契約精霊』を持つようになったんだから、先生がそれを教えるって気になったんだね」
どうやら、初めての本格的な【チーム戦】の訓練に対して緊張し出したジュディに手を握られてるようだ。
「ということで、授業を直ぐにでも終えたいんだけれど、これからはクラスの学生に誰か一人でもここへ出てきてもらって、あそこのクラスメート全員に向かって、自身の契約精霊がどんなふうに見えるかを良く見てもらう『精霊との交流タイム』で締めるよ~?ということで、ニナさん~!」
「はっ~!はひ~!?」
急に呼ばれて舌でも噛んでしまったか、そんな可愛い声だして慌てている様子を見せるニナに、
「ここに出てきてもらって、皆に自分の契約精霊を見せなさい~!」
あ!確かにこの前、自分の精霊こそ最も可愛いって豪語しちゃったんだよな、ニナが…。よし、これは僥倖だ。彼女の契約精霊にどれほどの可愛さがあるか確かめさせてもらうぞ!」
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「ふっうぅ……」
「もう3分近くも立ったままで、唱えようとしてないんだけどー?」
「し~!オケウエーは静かにして!彼女、大勢の前だと緊張するでしょうから今は集中してるっぽいので鐘が終わるまでに待ってあげるべきだわ」
オードリーにそう言われたんで、俺も、
「それならいいけど……でもあそこの始めてむすって表情して初めてイライラし出す先生の顔を見た気がするんだが、もうこの授業に後は5分も経たぬうち終わるので早くニナの精霊が見たくてワクワクするんだけどー?」
「『我の元に舞い踊れー!勇敢なる心を持つ紫緑の賢猫アリアナよー!』」
パ―――チ!
どうやらついにきた!
彼女の前の地面が光ってると-!
「にゃ~ん!にゃにゃ~~ん~!」
「「「「「「「「「~~~!!?」」」」」」」」」
やっぱり自慢しただけの事あって、ちゃんと可愛い猫ちゃんの精霊持ってんじゃん!
毛皮が今までに見たこともないような緑色と紫色が交じり合ってるその猫ちゃんは、まるでアートか何かのコミックに出てきちゃいそうな愛くるしい大きな目を持ちながら、可愛くそこでゴロゴロと横になって身体を何度も床に転がって回転している模様。
「こ、これでどうでしょう…?か、可愛いらしいんだよね?」
「うん、うん、すごく可愛いよ、ニナちゃん~!」
「ねえ、ねえ、あたしがナデナデしてもいい~?」
「もちろんだよ、ルリー!」
「やったー!」
ワイワイと騒ぎ出す女の子達に、
「オケウエー!」
ん?何のことだ?いきなり後ろの席から俺達の座ってるこっちまで歩いてきて…
「放課後の訓練だけど、私の父が訓練を観戦しに来るそうよ?もちろん、あんたとは一度は会ってみたいってさっきのお昼の時間にお手洗いに向かっていった私に電話ごしで伝えてくれて。……だから、心の準備だけ今から済ませなさいー!」
え?
「えええーーーーー!!!?」
オードリーからの衝撃の事実に、クラス全員がびっくりしたぐらいの大声を出してしまった俺がいるのだった!
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