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トナカイとリリーのダンジョン探索 その二

 冒険者ギルドからの依頼で、封印のダンジョンを調査することになったトナカイとリリーであった。

「と、いうわけでダンジョンに入ったのよ!」

「何だかすごく弱くなった気がするね?」

「うむ、なんせ『封印のダンジョン』だからしょうがないのよ!」

「ちなみに、実際どのくらい弱くなってるんだろうね?」

「弱体化率はなんと、お値段据え置きの120%なのよぉぉ!」

「えぇっ!? ……ってトナカイ、今適当に言ったでしょ」

「ささ、先に進のよぉぉ!」

「あっ、気を付けて進まないと危な「もっひょおぉ……」遅かった。トナカイが落とし穴に落ちちゃった」



「いやー危なかったのよ! もうすこしでトナカイの風通しがよくなるところだったのよ!」

「うん。トナカイじゃなかったら完全に死んでたね。実際に床のトゲが刺さってたもんね」

「リリー、ここは気を付けて進むのよ!」

「うん、むしろもっと自分自身に言い聞かせてほしいよトナカイ」

「ちなみにダンジョンの中は割と明るいのよー」

「特に光源もないのに、不思議だね?」

「これはねー、ダンジョン自体が若干発光してるのよー。たぶん弱体化の魔法が常時かかってるせいなのよー」

「なるほど。さすがトナカイ、魔法とかに詳しいね」

「むふー、頑張ったら弱体化の魔法を何とかできる気がするけど、ダンジョンの名前が変わっちゃうからこのままいくのよ!」

「封印のダンジョンがただのダンジョンって名前になったら、かわいそうだもんね」

「ささ、先に進のよー」



「トナカイ、罠っていうのは避けないとだめなんだよ?」

「むふー、うっかりしてたのよー」

「トナカイって、罠を嬉々として踏み抜く節があるよね。調査って観点からすると、これ以上ないほどいい情報を提供できそうだけど」

「うむ! ……あっ、よいこはマネしちゃだめなのよ!」

「心配しなくても、誰もマネしないと思うよ?」

「例えばそこに転がってる宝箱を、こんなふうにパカッとおぉぉ……」

「だから罠って分かってるなら避けないとって……また落とし穴だったね」

「あっ、穴の底にお宝が落ちてたのよ!」

「えぇっ!? どんなお宝ぁぁぁ……」

「リリーが空から降ってきたのよっふう!?」

「トナカイがクッションになって助かった。もふもふ……」

「トナカイに着地していきなりもふもふし始めるのは、どうかと思うのよー」

「で、どんなお宝だったの?」

「これなのよ!」

「……これ、ただの小石にしか見えないけど。実はお宝なの?」

「いやー、まんまるで綺麗なただの小石なのよ! どうやら見間違えたみたいなのよー」

「……そっかぁ」

「そんなことより、ここからどうやって這い上がるか考えるのよ!」

「大丈夫、トナカイを投げるのは得意」

「あっ、よく見たらそこに縄梯子が「そーいっ!」もっひょーぅ!?」

「……ちょっと角度が浅かった。トナカイが壁で跳ねて大変なことになってる」

「三回くらい壁にぶつかったけど、なんとか出られたのよ。結果オーライってやつなのよ!」

「トナカイ、よく見たら壁に縄梯子がかかってたよ! これを使って出たらよかったね?」

「……まぁいいのよ。まだまだ冒険は始まったばかりなのよーっ!」


 弱体化されているにも関わらず、平常運転なトナカイたちであった。

 トナカイたちはダンジョンに仕掛けられた凶悪な罠を掻い潜りながら、無事に最深部まで到達できるのか!?

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