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リリーの診察

「次の方どうぞー」

「よろしくなのよー」

「どうされましたかー?」

「ちょっと、おなかがすいたのよー」

「そうですかー。それではもふもふしてみますねー」

「えっ……トナカイ渾身のぼけが、完全にスルーされたのよ!?」

「そういうのいいから。はい、もふもふ……」



「「……」」

「はうぅ……もふもふ……もふもふ」

「あの、リリー「お医者さんね」……お医者さん? かれこれ一時間はもふもふしてるんけど、まだかかるのん?」

「んー、まだちょっとわかりませんねー。あと半日はもふもふしないと」

「さすがに時間かかりすぎなのよ!?」

「注文が多い患者だなぁ……しょうがない、そろそろちゃんと診ますか」

「さっきまでのもふもふは一体何だったのよ……」



「んー、これは……ほほー」

「どうなん?」

「とても、もふもふしてますねー」

「それ、さっき散々堪能したのよね?」

「てへっ」

「このお医者さんに診てもらうの、不安になってきたのよぉ」

「大丈夫です。こう見えても名医なので」

「自分のことを名医っていうお医者さんも、珍しいと思うのよ」

「んんー、なるほど。あなた、昨日晩ご飯をいっぱい食べすぎましたね?」

「おー、さすが名医なのよ! 当たってるのよ!」

「あとはー……むむっ、デザートに氷菓子をいっぱい食べましたねっ! これはいけない!」

「えっ、あかんかったん?」

「はい、冷たいものはお腹を冷やしてしまいますからねー」

「なるほど、なんだかそれっぽいのよ!」

「それにその氷菓子、リリーさんにあーんを、していませんね! これが一番の原因ですねー」

「……そうなん?」

「そうなんです。名医が言うから間違いありません」

「そうなんねぇ。じゃ、今度やってあげるのよー」

「やった! ……こほん、もう少し診てみましょう……」

「んー? こ、これはっ!」

「何かあかんかったん?」

「リリ分が枯渇していますね! これはいけないっ!」

「えっ……? リリ分って、何なん?」

「「……」」

「説明しましょう、リリ分とはリリー成分のことで、トナカイが定期的に摂取しなければならない重要なものなのです。これが不足すると……えーっと、そう、色々大変なことになるのです!」

「何だかよくわからないけど、それは大変なのよ!」

「早急にリリ分を摂取してくださいね!」

「うむ、わかったのよ! ところで、どうやって摂取したらええのん?」

「えーっとですね、摂取するには、リリーさんをぎゅーっと抱きしめたりですね、なでなですると良いと、思います……」

「急に照れだしたのよ。それじゃさっそくリリーを撫でまわしてくるのよ!」

「はいっ! それじゃ、どうぞ」

「ん? どしたんお医者さん。急に両手を広げて」

「!? な、何でもありません! 何でもありませんとも!」

「それじゃ診察ありがとなのよー!」

「え? はい、お大事に……トナカイ、どこかに行っちゃった。なでなで、してくれないのかな……」



 その後戻ってきたトナカイにしばらく放置されてしびれを切らし、半泣きでトナカイに飛びつくリリーであった。

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