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異世界を無限のスキルで生き延びる。  作者: 巫女崎
精霊王国編
34/48

34.【魔毒】

ユニーク一万越え!

ありがとうございます!



「……確かに場所を変えるとは言ったけどさ、さすがにここは無いんじゃないかなぁ」


 俺、現在フォレストウォール家の屋敷、客間に来ています。

 廊下のそこら中にメイドや執事がいるし、全員がエルフってわけでもないからいろんな念のこもった眼で見られて物凄く居心地が悪い。

 客間に着いたら今度は高そうなティーカップに注がれた紅茶を出されたのでできるだけ音を立てず丁寧に飲む。


 少しして客間にノックがかかる。

 すると扉が開き入ってきたのは――


「初めまして勇者様。この度はようこそおいでくださいました」


 人間の男性だった。

 すかさず【情報眼】。



 マリオ=フォレストウォール:

 元は聖大陸の生まれでヨネット子爵家の三男。

 小さいころに魔法と錬金術に興味を持ち、見分を深めるため15の時に冒険者となる。

 それからは魔法の始祖と呼ばれる森林大陸に訪れ、そこで初めてマリー=フォレストウォールに出会う。

 いろいろなハプニングを迎えながらも無事結婚した二人が同棲を始めて二年、メイリッサ=フォレストウォール誕生。

 それからさらに五年、次女ミリア=フォレストウォール誕生。

 現在夫婦仲は良好である。



 最近【情報眼】さんが忙しい……。


「初めまして。あと一つ言っておきますが私は勇者ではありません知り合い(クラスメイト)ではありますが」

「どちらも同じことですよ」


 あははははと、とても貴族の子供とは思えないきれいな笑い声を部屋に響かせる。

 いや、貴族の笑い声とか知らないけどさ。ほら、なんかグへへとかガハハとかみたいな笑い声のイメージがあるじゃん。


「それで勇者様、今回お越しになったのは私たちのお願いを聞いてくださるためとか」


 勇者様扱い、やめてくれないのか。


「……はい、とりあえず詳しいことも話したいと娘さんがおっしゃられていたので」

「それは助かります。ですがこの話をするのはメイリッサではつらいものがあるでしょうし、メイリッサが来る前に私から話をしましょう」


 そしてマリオさんは話を始めた。


「まずお聞きしますが、勇者様は娘、メイリッサが《精霊巫女》であることはご存知ですか?」

「ええ、それについては本人から」


 《情報視認》使っていいと言われました。


「実は《精霊巫女》にはメイリッサのように先天的になる者の他に、後天的になる者もいるのですよ」

「……後天的、ですか?」


 そんなの【情報眼】には書いてなかったけど。

 ああ、先天的になったメイリッサで調べたからか。


「はい、ただし後天的になるにはとても危険な試練、それこそ挑戦者のほとんどが命を散らすような試練をやらなければいけません。それも一人で。そして私の娘、メイリッサの妹であるミリアもそれに挑戦したのですよ」


 マリオさんはそこでいったん言葉を止める。


「…………ミリアは試練を諦め何とか戻ってきたのですが、試練の最中に猛毒を持つポイズンアントに噛まれたのか猛毒(強)が回っていたのです。勇者様、どうか私の娘を救ってはいただけませんか」

「……………………」

「お願いします」


 マリオさんは土下座をしてまで俺に頼み込む。

 正直助けてあげたいのはやまやまなのだが、あいにくにも猛毒(強)は今の俺の手持ちでは解呪できない。


「マリオさん、貴方の娘さん、メイリッサさんが《錬金術LV.10》を持っていることはご存知ですか」

「ええ、知っております。《錬金術LV.10》であれば解呪のポーションが作れることも」

「では何故姉であるメイリッサさんに頼まないのですか。彼女も妹を心配しているのであれば自ら解呪ポーションなんて作れるでしょう」

「無いんです。材料が」

「材料がない?確かに高位のポーションを作る材料は貴重ですが(強)であれば備蓄があってもおかしくないのでは?」


 マリオさんが話そうとしたとき、部屋の扉が開けられる。

 開けたのはメイリッサだった。


「ここからは私が話しましょう。この国は森林大陸で唯一の独立国家なのですが、国内にはほとんど状態異常を持つ魔物はいません。たとえいたとしても状態異常としては弱く、国内の素材で作ることのできる解呪ポーションで何とかなるものでした」


 そうだろうな。それじゃなきゃ独立国家としては失敗だ。


「それは試練でも同じで、試練に現れる魔物も多少は強力ですが最高でもせいぜいが(中)でした。」

「まさかそれで(強)以上を治すための素材がないってわけじゃないんだろ」

「はい。数こそ少ないですが(強)でも治すための素材は今でも揃っています。()()()()()()

「猛毒は普通の毒ではないと」

「いえ、そんなことはありません!ですが……」


 メイリッサはそこで何を思ったのか声が小さくなる。


「……【魔毒】か。確かにそれなら(強)の素材じゃどうにもならないな」

「「!?」」


 【魔毒】とは一種の呪いだ。

 それ単体では特に意味のなさない呪いだが、一度毒にかかるとたとえその毒が(弱)でも(中)以上の解呪が必要とされる。

 【魔毒】持ちが(最上)にかかったらそれこそ生き残る術は無いといわれるほどに。


「それで?解呪ポーション(最上)にはあと何が足りない?」

「……神秘の薬草です。でも無理でしょう。勇者様は男なのですから」

「……まさか女じゃないと取れない素材とでもいうのか?」


 俺はマリオさんの心を視る。

 …………マジかよ。ホントに女じゃないと素材が取れないのか。


「じゃあ何でメイリッサはその素材を取りに行かないんだ。妹のピンチだろ」

「私ではいけないのです。なぜならそれがあるのは試練の最下層、ラスボスの部屋の奥にあるのですから。《精霊巫女》をすでに持つ私でも試練は中に入ることを拒むのです」


 それは困った。

 【情報眼】よ、俺がその素材を手に入れる方法を教えてくれ。


 …………………………………………。

 ………………………………。

 ……………………。

 …………。


 …………………………………………あった。




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