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弱者

グロ、猟奇、アッーな描写があります。

吐かないでください。

「…………ぷふー」


 裸になっている俺はカイの横に寝そべって紙巻煙草に火を点け、煙を吐き出す。

 カイの体は最高だった。

 流石はギンに認められた一番弟子といった所か。

 これで金が貰えるんだからこの仕事はやめられない。

 ………うん、分かってる。金もらって女抱けるなんて刺されろって言われるのは分かってる。

 だが、これしか俺が金を得る手段は無いのだから仕方ないだろうが。


「………どうしたの?不機嫌そうな顔」


「………なんでも」


 不貞腐れているを察してカイが俺の頭を軽く撫でた。

 黒と白が入り混じった髪を梳かれて少し気持ちいい。

 相変わらず男が弱っているのを察するいい女だ。


「………サンキュな」


「どういたしまして」


 枕元の灰皿に煙草を押し付け、起き上がる。


「もう帰るの?ゆっくりすればいいのに」


「あんまり遅いとレイラちゃんに怒られる。悪いな」


 俺の言葉にカイは少し不服そうな顔をした。


「あら、女の前で他の女の子の話はタブーよ?」


「お前がンなタマかよ」


 服を着ながらクツクツと笑って皮肉ると、カイもまたクスクスと笑う。

 俺達が突き詰めれば、カラダとカネだけの関係だと分かっているからこそ出来るやりとりだ。

 俺もカイもそれ以上踏み込むつもりはない。


「じゃ、はいこれ」


「ん?…っと」


 唐突に何かを投げられ、咄嗟に受け取る。

 投げられたのは革袋、じゃら、と決して少なくない量が入っている音がした。


「……おいおい、ちゃんと報酬は前払いで貰ってたろ?」


「愉しませてくれた追加報酬よ。………それと、香水の匂いをぷんぷんさせて帰るんだから、何か贈って取り繕う位しなさいな」


 珍しく真剣な顔でカイが俺の顔を指さす。

 同じ女で思う所があるのだろう、フォローはちゃんとしろと言いたいらしい。

 ………うん、まあ、今回はお言葉に甘えておくとしよう。


「ありがと。正直、助かる」


「宜しい。次はもっとサービスしてね?」


 俺の礼に、にっこりと最上級の笑顔で答えるカイ。

 ………仕事に手ぇ抜いてた事にしっかりと釘を刺していきやがった。やっぱコイツギンの弟子だわ。







 娼館を出てぶらぶらと夜道を歩く。

 他の娼館も殆ど明かりが落ちて、道を照らすのは街灯と月だけだ。


「…ん~…何を買うかね…」


 明日レイラちゃんに何を贈ろうか思案中のこと。


「……ッ!?がっ!」


 突如襟首を掴まれ、路地裏に引きずり込まれた。

 あまりに突然な出来事に一瞬思考が停止する。


「……な、誰っ…!」


「黙れ」


「ぐっ…!?」


 容赦無く首を締め付けられる。

 薄暗い視界には、武装した数人の男がニヤニヤと笑って俺を見下ろしていた。

 どう見ても冒険者のパーティだ。だが装備の質はあまり良くない。


「テメェ、娼館街の元締めの屋敷から出てきたよな?」


「…!」


 男の一人が俺の胸を踏みつけながらそう問う。

 ………ああ、そういうことか。


「テメェが不死人だって事は知ってるぜぇ?娼婦からいい思いしてカネも貰ってるって事もだ」


 つまりこいつらは。


「いい女抱いてカネまで貰ってるんだ。俺達におこぼれをくれたっていいだろ?」


 俺から金を巻き上げようって魂胆か。

 ……あーあ、ツイてねぇな。例えるならブタとフルハウス。

 俺の心情を他所に、男共は俺の懐からカイに貰った小遣いを抜き取った。


「……へぇ!結構貰ってるんだな!」


 中に入っていた銀貨を見て連中は歓声を上げる。

 ……カイには悪いけど、運がなかったと言って謝ろう。

 そんな事を考えていると、男の一人が何かに気付いた様に俺の顔をまじまじと見た。


「……おいおい、コイツ、男だけど結構な上玉じゃねえか?」


「……ッ」


 ………どうやら、俺の不運はまだまだ続くらしい。

 手前味噌な話ではあるが、俺の顔は中性的で整っている。

 かと言って可愛いという訳ではなく、どちらかと言えば綺麗と言った所だ。

 カイ曰く、『それなりの格好をすれば美女で通る』。

 ぶっちゃけ嫌だ。

 だが目の前の連中はそんな事構いやしない。

 俺の服に手を掛け、あっさりと引き裂いて裸にひん剥かれた。


「へへ…普段は愉しんでんだ、俺達も愉しませてくれよ」


 こいつら、男娼相手にしたことあるな?

 どんな時代にもこういう男色家ヘンタイが無くならんのは何故だろうか。


「おい、幾らコイツが弱くても、暴れられちゃ面倒だぜ?」


「ハッ…だったらこうするまでだ!」


 一人が不安そうにそう口にすると、リーダーと思しき髭面が腰の剣に手を掛け、


「……ギッ…!」


 ばっさりと俺の左腕を肩口から切り落とした。

 にゃろ…幾ら死なないっても痛いもんは痛いんだぞ!?


「おいお前ら、コイツの残りの手足も切り落とせ。どうせ死にゃあしねえんだ」


「ヘイ」


「…あぐ…ぎ…がぁ…!?」


 髭面の言葉に他の面子は平然と頷き、俺の手足を乱雑に切り落とす。

 痛みで泣きそうになるが、意識は飛ばない。

 永く生きてきてこの程度の痛みには体が慣れてしまったのだ。


「へへへ…本当に生きてら」


「アージャ、コイツは楽しめそうですネェ」


 ……なるほど、髭面の名前はアージャか。

 俺は頭の中に髭面の容姿と名前を刻み込んだ。


「それじゃぁ、可愛がってやるぜ?不死人ちゃんよぉ」


 そう言って髭面がズボンのベルトに手を掛ける。

 ああ、最悪だ。本当に最悪だ。例えるならブタとロイヤルストレートフラッシュ。

 手足を落とされ、複数人に陵辱されながら俺は自らの不運に辟易する。

 天は人の上に人を作らず。

 しかして、かみは人の下に不死人おれを作る。

 こんな状況になると、自らが圧倒的に弱者であると自覚させられる。

 落ちることのない意識の中、俺は一晩中犯され続けた。






 夜が明ける。

 朝もやの中、娼館街のゴミ捨て場でバラバラのぐちゃぐちゃになった俺を娼婦の一人が見つけ、ギンの屋敷に運び込まれた。

こういう変態はどんな時代にも大抵居ますよね。ラス○ーチンとか、ジル・○・レイとか。

ご意見ご感想お待ちしております。

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