前へ目次 次へ PR 7/50 私はちゃんと知っている 私は学校を出た所で彼に追いついた。 「なんか用か?」 「家に帰るだけ」 「ふーん…。じゃあな。俺はこっちだから」 そう言って彼は角を曲がる。私も同じ角を曲がる。 「ついて来るなよ」 「私の家もこっちだから」 「ふーん…。お前、先に行けよ」 「あら、私が浅井君の後をつけているとでも思っているの? いいよ。じゃあ、私が先に行くね」 どっちが先に歩いても帰る場所は一緒。私はそれをちゃんと知っている。彼がこの町に来た時から。