200の字連載小説「好きになってもいいですか？～青春篇～」

さあ、どうする？

「それを失くしたおかげで、母親からすごく怒られたんだ。一生忘れないよ。それをなんでお前が持ってるんだ？」

「まあ！　失くしたのは憶えていても、どうして失くしたのかは憶えていないの？」

「知るか！　まさかお前、盗んだのか？」

「バカ言わないでよ！　もういいわ。早く返して」

「ふざけるな！　これは俺のものだ。誰が返すか！」

「いいわ。じゃあ、代わりのハンカチをちょうだい」

「冗談言うな」

「じゃあ、返して」

　さあ、どうする？