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裏切り少女のやり直し~200年後の再挑戦  作者: オリオン
第4章、異常なアンデッド達
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家への帰宅

……後悔は多い…だけど、今更止まることは出来ない。


「お姉ちゃん! お帰り!」

「わ! リン…元気そうで良かったよ」

「お姉ちゃんも怪我して無くて良かった!」


あの後、私は久しぶりに家に帰ることにした。

かなり長い間家には帰ってなかった気がする。

あの時以来かな、魔法陣の研究をしてた時以来かな。


「お帰りなさい、リンったら、ずっとあなたの事を心配してたのよ」

「あはは、リン心配掛けちゃったね」

「うん! お姉ちゃん、怪我したら怒るからね!」

「あはは、それは恐いね。だから、怪我をしないように気を付けるよ」

「うん!」


まだそこまで危険な依頼があったわけじゃ無い。

所詮相手はゾンビの群れ。勇者様と色々な場所に行ってたときは

もっと危ない魔物とも戦ってたんだから。

でも、私達は勇者候補。これから難しい仕事も増えると思う。

怪我を全くしないって言うのは無理だと思うけど…でも、怪我をしても

私は自分の怪我を治せるから、帰る前に回復しちゃえばリンとの約束は

表向きだけだけど守ることは出来ると思う。


「でも、大丈夫なの? 勇者候補って忙しいんじゃ無いの?」

「大丈夫だよ、お母さん。そんなに忙しいわけじゃ無いから。

 実際は冒険者とか、そう言うのとあまり差は無いしね」

「冒険者も命を賭ける仕事よ…でも、あの人達は自分で選んだ。

 でも、あなたの場合は…殆ど強制的じゃ…強制的に危ない目に」

「そんなんじゃ無いよ、私はやりたいからやってるんだよ。

 だって私、強いもん。強い人が弱い人を守るのは当然だから」

「じゃあ、あなたの事は誰が守ってくれるのよ」

「…それは…私自身と、私と一緒に戦ってる人達だよ。

 だから大丈夫、私は誰かを守ってるけど、守られても居る。

 私は1人じゃ無い。家に帰ったらお父さんもお母さんもリンも居る。

 私には帰る場所がある。そして、一緒にいてくれる人も居る。

 だから、私は大丈夫。私は1人じゃ無い、それだけで安心出来る」


小さくしゃがんで、リンの頭を撫でてみた。

リンは凄く嬉しそうに笑ってる…やっぱり可愛いなぁ、妹って。

立派なお姉ちゃんにならないと。レイラードの立派な姉にはなれなかったけど

せめて、エルとしては…エリエル・ガーデンとして生きてる今は…

リンの立派なお姉ちゃんでいよう。今度こそ、立派な姉になる。

……最後の最後、裏切っちゃうかも知れないけど…やっぱり最後は…


「…お姉ちゃん? どうしたの? 泣いてるの?」

「あ、な、泣いてないよ。お姉ちゃんが泣くわけ無いじゃん」

「そうだよね、お姉ちゃん凄いもんね!」

「そうそう、お姉ちゃんは凄いの。だから、大丈夫」


駄目駄目、私は本当に弱いんだから。何を弱気になってるんだか!

そんな先の事を考える暇があるなら、必死に努力しないと!

例えその時が来ても、笑ってその時を迎えられるように!

せめて最後は、後悔無く…後悔無く終わらせるために!


「大丈夫か? エル、何か悩んでるのか?」

「あ、お父さん。あれ? 今日は休みなの?」

「今日は夜勤という奴でな」

「あ、そうなんだ。て言うか、居るなら早く出て来ても…」

「いやな、すぐに出てくるつもりだったんだが、リンと仲良くしてるのに

 水を差すというのはどうかと思ってね。ま、少し遅れて出て来たんだ」

「本当、あなたは変な所で気を使うわよね、気にしなくても良いと思うけど?」

「そう言う訳にはいかないのさ、娘に嫌われたくは無いからね」


お父さんは少し元気よく笑った。

嫌われたくないって言うのは、私達2人にって事かな。

それとも私に嫌われたくないのか…嫌う訳無いのに。


「……ねぇ、お父さん」

「なんだい?」

「…少しだけ、私を鍛えて欲しいの」

「え? 何をいきなり、エルはもう十分強いじゃないか。

 お父さんじゃエルには勝てないぞ? あれだけの魔法を扱えるんだし」

「魔法にばかり頼ってたら、近寄られたとき何も出来ないかなって思って。

 だから、少しだけ教えて欲しいの。護身術程度で良いから」

「……」


お父さん…やっぱり少し悩んでる…そんなに変な質問かな…

でも、私も近寄られても戦えるようになりたい。

今のままだと接近されたりしたら逃げる事は出来るけど反撃が出来ない。

それに魔法が使えない状況だってあるかも知れない。

だから、魔法が無くても多少は戦えるようになりたい。


「お願い、お父さん」

「…ジェル、エルは本気よ?」

「……そうみたいだね。分かった、じゃあ少しだけ教えよう」

「本当!?」

「あぁ、お父さんがエルに与えられることは少ないからな。

 だから、与えられることがあると言うなら喜んで」

「ありがとう!」


休日だからこそ、今は強くなる練習が出来る。

依頼とかになると今までの知識や経験の応用しか出来ない。

新しい知識と経験を得るにはこう言う時間に得るしか無い。

知らない事が実戦で出来るわけがない。

でも、知ってる事ならもしかしたら出来るかも知れない。

無駄な事は無い、知ることに無駄な事はきっと無いはず。

だから、今のうちに少しでも早く強くなる為に知ってる事を増やさないとね。

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