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裏切り少女のやり直し~200年後の再挑戦  作者: オリオン
第1章、新しい再スタート
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無茶の結果

「う、うぅ…」

「エルちゃん!」

「お姉ちゃん!」

「……リズちゃん、リリン…」


懐かしい夢を見た気がする。昔の夢を。

レイラード…ブレイズお姉様…どうしてるかな。

うん、きっと2人とも、もう私の事を忘れてるかな。


「良かった…良かった!」

「お姉ちゃん! 良かったよ! 本当に良かった!」

「い、いきなり抱きつかな、痛!」

「あ、ご、ごめん!」


いきなり抱きつかれてビックリしたけど

冷静になってリズちゃんの顔を見てみると、涙を流していた。


まだ必死に抱きついているリリンも

凄い量の涙を流しているのが分かった。


私は死にかけていて、そして助かったんだ。

リズちゃんのお陰で、私は助かった。


あはは、全く私って馬鹿だよね、あの時、忘れてたよ。

今の私は人間なんだ…あのまま死んだら、そのまま完全に死ぬ。

あの時感じた…どうしようも無い…恐怖と同じ…


「エルちゃん? どうしたの? 震えてる?」

「あ、あはは…うん、そうだよね、死んじゃったら私…消えるんだよね…」

「え、エル…ちゃん?」


な、何でまた…も、もう助かったはずなのに

もう…もう、自分が死ぬって恐怖は克服出来たはずなのに…


「エルちゃん! しっかりしてよ! エルちゃん!」

「あ、ご、ごめん…」


だけど、リズちゃんの暖かい手が、私を落ち着かせてくれた。

うん、私は生きてる。この子の体温を感じられるって事は

私が生きている、何よりの証拠。


「すぅ…はぁ…」


大きく深呼吸をして、心を落ち着かせよう。

大丈夫、私はこうして生きているんだから。

大丈夫…大丈夫…もう、覚悟は決めてる筈なんだから…


「うん、ごめんね…でも大丈夫、落ち着いたから」

「本当? 無理しないでね」

「うん」

「うぅ…お姉ちゃん…良かった…」

「全く……あなたって子は」

「お母さん…お父さん…あ、お父さん、怪我は!」

「おいおい、俺より酷い怪我だったのに俺の心配するなよ。

 お前のお陰で、この通り、俺は元気だ。

 それよりも…本当に無茶して…皆、心配したんだぞ?

 見ての通り、リリンもずっと泣いていたんだからな

 もう、こんな無茶するなよ? エル」

「……うん」


私は嘘を付いた罪悪感を感じながら、小さく頷いた。

だって私はこれから、今回が比じゃないくらいの無茶をすると思うから。

だって、私がやることはお父様の…いや、魔王の撃破なんだから。

そして、魔王を倒したとき…私の意思は消える。


「……」

「エルちゃん、やっぱりまだ痛いの?」

「あなたが抱きついたからじゃないの? リズ」

「うぅ…そ、そうかも…」

「い、いや! そんな事無いよ」

「そうかなぁ…だったら、安心なんだけど」

「うん、ただちょっと…考え事をしてただけだから」

「この状況でか? 何か、深刻な」

「いや、そんな難しい事じゃなくて…え、えっと…

 う、うん! 勉強! お勉強の事を考えてて!」

「この状態だよ? 学校はしばらくおやすみだって」

「あ、あはは…だ、だよね」


…少しだけ恐くなったけど…怖じ気づいたら駄目だ。

私だって、その覚悟はもう……だから、悩むわけにはいかない。

あの時見たいな後悔は…もう2度と、したくないんだから!


「学校の事は良いから、しばらく休んでいてくれ。

 その怪我、本来なら死んでるような怪我だったんだ。

 回復魔法で回復した痕跡があったそうだが」

「エルちゃんが自分で回復したんだよ」

「はぁ!? え? エルってそんな魔法使えたの!?」

「あの時から魔法の才能があることは分かっていたけど

 実際、エルと戦ってみて彼女の才能が間違いないことは分かってた。

 だが、まさか回復の魔法も扱えるとは…13才でこの実力は凄まじいな」

「回復の魔法ってそんなに凄い魔法だったんだ…

 私、あの時エルちゃんに本当は無茶な事を言ってたのかも…」

「実際、私は使えたんだから無茶な事じゃないよ」


回復の魔法は結構得意な部類に入る。

何てったって、何度も何度も大怪我を負ってきてたからね。

その度に回復してたんだし、得意魔法にもなるよ。


でも、回復は全く少ない魔力で行使する方法を考えてなかったから

魔力消費は中々に大きいんだけど。

なんで回復の魔法は鍛えようとしなかったんだろう。


…いや、それは私が1番よく知ってるかな。

回復出来れば良かっただけ、動けるようになれればそれで良かった。

それよりも皆に認めて貰えるだけの魔法を磨いた方が良かったから。


「あなたがやったことは、十分無茶だけどね」

「ご、ごめんなさい」

「リズ、あなたもよ。何とかなったからい良い物の!」

「えぇ!? な、なんであたしが怒られるの!?」

「あなたがやったことも十分無茶だからよ!

 大事なお友達を助けたことは褒めてあげるけど

 それでも無茶をしたって所は褒められないわ!」

「な、なんで!? 大事なお友達を守りたいなら無茶するのは!」

「だから!」

「ま、まぁまぁ落ち着いて。リズも必死だったんだよ」

「あなたはまたそうやって甘やかす!」

「そ、それにほら、ここは病院だし…リズを怒るにしてもお家で怒って、な?」

「…それもそうね、ごめんなさい騒がしくしちゃって」

「あ、放してよお母さん! あたしはまだエルちゃんと一緒にいるの!」

「あなたみたいな騒がしいのがいたらゆっくり休めないでしょうが。

 全く誰に似たのかしら、こんな大声でわがままだなんて」

「間違いなくお前に似たんだと」

「何か言った?」

「いえ、何でもありません」

「あらそう、ただの勘違いだったのね。

 さぁ、速く帰る! お家でゆっくりとお説教してあげるわ」

「お説教お化け! 怪力馬鹿!」

「あぁ!? 親に向って!」

「いでで!」

「だ、だからほら、そんなに怒るなって。

 じゃあ、失礼します。そうだ、エルちゃん」

「は、はい」

「リズの事、守ってくれてありがとう。

 これからもあの子と仲良くしてくれると嬉しいよ」

「私はリズちゃんに守られたんです。

 それに私とリズちゃんは、親友ですから」

「…そうか、ありがとう。それじゃあ、またお見舞いに来るよ」

「ありがとうございます」

「え、エルちゃーん! ま、また来るからー!」

「うん、待ってる!」


少しだけ暗い気持ちなってたけど、何だかなぁ

リズちゃん達のやり取りを見てたら、何だか明るい気分になった。

やっぱり、私の親友は凄い…ありがとう、リズちゃん。


「あ、リリンいつの間にか寝ちゃってる」

「安心したからだろうな。悪いがしばらくは

このままで寝かせてやってくれるか?」

「うん」


本当に…迷惑掛けちゃったなぁ…

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