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第七十六回


「あの話は君が冗談だったと云ってくれれば、高枕で寝られるんだがな。…どうなんだ?」

 田丸は笑顔で上山に云った。上山の前では幽霊平林が上や下へと動きながらフワリフワリと漂い、陰気に笑っている。

「…、社長のお言葉ですが、私の云ったことは、やはり本当だと云わせて戴きます」

 決断したように上山は云った。どちらにしたって、定時退社する自分が部長になどなれんだろ…と、自問自答した挙句の結論だった。

「…そうか。いや、私もこの前とは少し事情が違うのだよ」

「えっ? どういうことでしょう?」

「だから、君の云ってることがあながち作り話だと、今は思ってないんだ」

「社長、何かあったんですか?」

「んっ? ああ、まあな…」

 田丸は語尾を濁した。

「と、いいますと…」

「いやあ、そう大したこっちゃないんだが…」

「そう云われりゃ益々、気になりますよ」

「実は、君の話が気になるもんでな。図書館へ足を運んだんだよ。まあ、それから時折り、君の顔が浮かんでさ、ははは…」

 田丸は賑やかに笑った。

「図書館ですか。私もなんですよ」

「えっ? 君も…。そうかね…。君が余り真剣に話すもんだからさ。ひょっとすると、そんなこともあるんだろうか…と半信半疑だったんだけどね」

「それで社長は、どんな本を?」

「霊視体験だったかな、確か…。借りた訳じゃないがね」

「ええっ! それって、私が借りてる本ですよ」

「なんだ、そうか…。いや、そりゃ奇遇だな。っていうか、いささか気味が悪いな」

「そう云われりゃ、そうですね」




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