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第七十二回

 陽気もよく、上山が少しウツラウツラ・・と眠気にさいなまれていた時である。

「なんだ、君か!」

 の当たりに出現した幽霊平林に上山はやや驚いたが、多くの課員がいる手前、声を抑えてボソッっと云った。

『なんだ、とはご挨拶ですねえ、課長。私だって元々、ここの有能社員だったんですから、もう少し云いようってもんが…』

「分かった分かった。すまん…」

 不満はあったが、ここは穏やかにいこう…と思えたのか、上山は一応、謝った。

『別に謝って欲しい訳じゃないんですがね。それより課長、例の話のその後は?』

 机上の書類を手に取り、読んでいる仕草で口を覆ってカムフラージュすると、上山は少し長めに話す態勢を整えた。これなら、課員達からは、まったく口元が見えない。

「それが、どうもな…。と、いうか、出会ったところでつくだ教授から答えが出そうにないからな。教授もだろう…って、煮えきらないことを云ってたじゃないか」

『ああ、そうでした。じゃあ、どうすりゃ分かるんでしょうね、僕と課長のこの奇妙な現実は…』

「それが分かりゃ、苦労せんよ」

 その時、上山に仲人を頼んだ岬が席を立ち、ツカツカ・・と課長席へ近づいてくるのが見えた。

「おい! 話は中断だ!」

『はい!』

 二人は会話を止めた。

「課長、結婚式の披露宴の案内状が出来ましたのでお目通し願おうと思いまして…。これです」

「あっ! そおなの? …見ておくよ。六月だったね?」

「はい。生憎あいにく、六月の末で、たぶん梅雨どきになると思うんですが…」

「いいじゃないか。ジューン・ブライドなんだから」

「はあ、それは、まあ…」

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