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第五十四回

上山が見たところ、彼等はどう考えても祈祷師か霊能家としか思えない仕草を繰り返していた。祈りつつ念力を送っては、しばらくするとノートのような書類に何やら書きつけるのだった。

 上山は、じっと見続けたが、奇妙な行為…と映るのみで、それ以外は結局、分からなかった。分からなければ教授にたずねる他はない。

「いやあ、私には助手の方々が何をされているのか、さっぱり分かりません。念じては、なんか書かれてますが?」

「そうです。念を一心に送っておるのです、机に置かれた物質へ。あれこそが上山さん、まさにゴーステンなのですよ」

「私には、ただの粘土にしか見えませんが…」

「そうでしょう。誰もがそう云われるはずです。確かにあれは粘土を含みますが、粘土ではないのです」

「ほう…。と、云いますと?」

「あの中には墳墓にある廃棄された納骨堂の人骨灰土、いわゆる土骨粉が三分の二以上、含有されているのです。人類の科学で焼骨は骨の酸化物、すなわち酸化したカルシウムなどと捉えます。しかし私の研究所では、そうは捉えません。土骨粉を霊動物質、ゴーステンと名づけて特別視しております。私達は、このゴーステンが電気エネルギーを与えることにより霊気、特に霊動に大きく感知する物質であることを突きとめたのです」

「…それが、先ほどの話の具体的な詳細なんですね?」

「はい、おっしゃる通りです」

「そういう詳細を聞きますと、少し分かったような気がしてきました」

「そうですか…。それはなによりです。何度か、この研究所へ来て戴ければ、理解出来るようになると思うのですが…」

 つくだ教授は終始、穏やかな笑みを浮かべている。

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