表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/338

第五十回

「どうも、どうも…。態々(わざわざ)、恐れ入ります」

 つくだ教授の出迎えに対し、上山は相応の日本的礼儀で返した。

 教授の後方に従い研究室へ入ると、三人の助手が手を止め、上山に軽く一礼した。上山もそれぞれ三人に軽くお辞儀して黙礼で応じた。一端、手を止めた助手達は、ふたたび何やらよく分からない手作業を始めている。上山も白衣で研究する場はいろいろと知っていたが、こういう奇妙な研究の場というのは、人生で初めて体験するものだった。科学者が白衣で首に数珠じゅずを掛け、一心不乱に何やら念じてはノートらしき用紙に書き込んでいるのである。

「皆さん、何をしておられるのですか?」

 上山は思わず教授にたずねた。

「ああ…連中ですか? 彼等は私が命じたデータをとっておるだけです」

「はあ…そうですか」

 上山は唖然として二の矢が放てない。教授の言葉を素直に鵜呑みにした。研究室の雰囲気は滑川なめかわ教授の室内とは比較にならないほど明るく整っている。しかも、弟子ともいえる助手が三人以上いるとなると、これはもう、本格的な研究所である。ただし、滑川教授とは研究分野がまったく違うから、比較対照にはならないのだが…。

「教授にひとつお伺いをしようと思っていたのですが…」

 上山は前を歩くつくだ教授へ、後ろから小声をかけた。教授はギクッ! として立ち止まり、振り返った。

「ほう! 何でしょう? 私で分かることなら、なんなりとおき下さい」

「いやあ、そんな小難しい話ではないのですが…」

「まあ、云ってみて下さい」

「教授が製造された滑川なめかわ教授の研究所にある機械についてなんですが…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ