表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/338

第四十二回

 教授は揺れ続けるVUメーターと点滅するオレンジ色のランプを指さした。上山には原因が分かっているから、どうも返事しづらい。ここにいる幽霊平林のせいだ、などとは云えなかった。だいいち、この機械、古めかしいレトロ調で、決して現代の最新技術を駆使して作られたものとは到底、思えなかったのである。少しの、もどかしさが上山の心をさいなんだ。しかし今は我慢して、適当に教授の話に合わせねば…と、上山は考えていた。

「ワァ~、えらく揺れてますねえ。いったい、なぜなんでしょうねえ」

 わざとらしく思えたが、ともかく上山は、そう云って返した。

「振れてるだろ? これが、とにもかくにも事実を証明しておるのさ。何もなければ、針など振れる訳がない!」

 最後の語尾を強調して教授は上山に云った。それは確かに、その通りで、何もしていない状態で急に針が振れたりランプが点滅するはずがない訳で、誰もが驚く現象であることは事実だった。

「それは、そうですね…」

 上山には隣で幽霊平林が笑っている蒼白い顔が丸見えなのだが、ここはえて、こう云うしかなかった。先程まで教授に威圧され、上山の後ろへ隠れていた幽霊平林が、もう横へしゃしゃり出ていて、笑っている。上山は彼に少々、腹が立った。だが、教授が前にいるから話す訳にもいかず、怒りが次第に、いらだちへと変化していった。

「霊がいることは確かだ。要は、どう解明するかなんだが、その解明方程式は、まだ完成しておらんのだよ。…ちょっと、トイレへ行ってくるから、君、機械になにか変化がないか見とってくれんか」

「はい、いいですよ。お安いご用です」

 教授は上山が了解すると、矢のように走りだした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ