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第三十八回

「本当か? …まあ、君を疑ってる訳じゃないんだが、どうも不安でなあ…」

『そんなことは心配されず、今は滑川なめかわ教授に出会った時のことをお考え下さい』

「ああ…、ありがと。そうさせてもらうよ」

 それで会話は途切れ、幽霊平林は湿っぽく去った。

 次の朝、会社へ出勤した上山は、携帯で電話をした。

「あっ! 昨日はどうも…。さっそくでなんなんですが、明日の朝、十時頃では、いかがでございましょう?」

 上山は猫撫で声で話した。

「おお、君か。私はいつでも構わんよ。君の好きな時に来なさい。入口は開いとる」

 この日の滑川教授の機嫌は、かなりよかった。

「はい! どうも、ありがとうございます。では、さっそく参上させて戴きます、失礼いたします」

 上山は電話を切って、ホッ! とした。そこへ幽霊平林が現れた。会社へ現れるのは久しぶりである。上山は課員達の手前、デスクでは電話できず、トイレの化粧室にいた。

『明日の十時ですか…。そういや、明日は会社、休みでしたよね』

「なんだ、君か! …それにしても驚かなくなったな。慣れとは恐ろしいものだ」

『いやあ、課長が驚かれなくなったのは、僕にとっては好都合です。なにせ、僕の興奮度合いも小さくなりますからねえ』

「頭の青火が立たなくなるってことか? …まあ、私もそれは助かるがな。おっと、いけない! ここはトイレだった。誰ぞに聞かれちゃまずいな…。それじゃ、また」

 上山は、幽霊平林を振り払うようにトイレを出た。そんなことはお構いなしの幽霊平林である。上山の横にスゥ~っと続いた。それでも一応は遠慮して、上山が課のオフィスのドアを開けた時は、静かに消え失せた。

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