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三章 第八十三回

「ははは…、気にしないで下さい。この霊動学研究所では、この数珠じゅず姿がフツーですので…」

「何か、見えない念力パワーとかオーラとか、ですか?」

「霊動は集中力を必要としますから、ある意味、雑念を取り払うためです」

「と、いいますと…」

「上山さん。電波や電気のたぐいと同じですよ。目には見えませんが、私達の周りには様々な見えない電波、磁波が飛び交ってます。同様に霊動もしている訳です。だから、自分の霊波が、それらの影響を受け、雑念を発生させないために、かける訳です。こうすることで雑念を払拭できるんですよ」

「それって、ただの数珠ですよね?」

「いえ、これは特殊加工したゴーステンの玉で出来ているんです」

「ほう、特殊加工した…。そうでしたか」

 上山はつくだの姿に呆気あっけにとられ、否定も肯定も出来なかったから、ただそう返した。

「で、先ほどのお話ですが、大まかは理解しました、ご安心を。しかし、貴重な霊体験をされているあなたの話を聞けなくなるのは残念ですね。まだまだ、おたずねしたいことがあったのですが…」

「はあ…、私も残念です。だいいち、死んだ部下の平林と、もう会えなくなるのはつらいです。まっ! 記憶がまったくなくなれば、その辛さも、なくなるんですが…」

「それは、いつ頃なんですか?」

「いえ、それは私にも分からないんです。すべては、霊界トップの意向次第なんですよ」

「そうなんですか?」

「ええ…。あっ! これだけは忘れないうちに教授にお話ししておきましょう。教授の霊動学の資料にもなるでしょうし…」

「はあ、それはどういうことでしょう?」

「霊界トップと私が申しますのは、霊界には霊界番人と呼ばれる偉い方、…偉い方という云い方もなんなんですが…。まあ、とにかく、そういう存在がおられ、さらには霊界を取り仕切る霊界司と呼ばれる存在が、その上におられると、まあ、そういうことです」

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