表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
315/338

三章 第八十二回

「ああ、なるほど…。記憶が消えたあとじゃ、私も上山さんとこんな話は出来ませんからねえ」

「ええ、そういうことです。よろしくお願いします」

「分かりました。まあ、お願いされるほどの話でもないんですが…」

 二人は顔を見合せて軽く笑った。

「さてと…。これで何が起ころうと安心できます」

「ところで、その幽霊さんの調子は、どうですか? 死んだ方に調子と云うのも、なんなんですが…」

「ははは…、平林ですか。彼の場合は、私と違って大変化ですよ」

「と、いいますと?」

「なんでも二段階アップなんだそうです」

「二段階とは?」

「ええ、私も詳しくは分からないんですが、なんでも一段階アップで幽霊から御霊みたまに、さらにもう一段階昇って生まれ変われるということらしいんです」

「生まれ変われる?」

「はい、そうです。霊魂が新しい身体を持って胎内に宿るということだそうです」

「妊娠した女性の身体に宿る、ということですね?」

「ええ、まあ…。らしいです」

「いや、このお話は、霊動学者の私としては非常に貴重です。なるほど…。そういう…。ああ、これは今、研究中の課題に大いに参考となる材料です。有難うございました。ふ~む、そうか…、なるほど!」

 つくだ教授は一人で納得して悦に入った。

「はあ…」

 上山は佃教授の言葉が解せぬまま、いぶかしげにうなずいた。佃教授は、さも当然のように、机上に置かれた長数珠じゅずを白衣の上に首からかけた。上山の目には、その姿が少し奇異に映った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ