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三章 第八十回

「ええ、まあそういうことになりますかね、ははは…」

 愛想笑いをすると、上山は席を立ち、滑川なめかわ教授に軽い会釈をして研究所をあとにした。次に上山が向かったのは、つくだ教授の霊動学研究所である。佃研究所は大学に一応、認められていて、大学院施設内の一部分に存在していた。しかし、それも表向きは…という杓子定規的なもので、何の成果もない研究所として大学の中枢部からは白い目で見られていた。この点は滑川研究所と同様、ドングリの背比べと云えた。佃教授にはコンタクトを取って向かった上山だが、どう話したものかと頭を巡らせていた。滑川教授と違い、佃教授は理詰めの性格だと分かっているからで、恐らく細部まで訳をたずねられるだろう、と思えたのだ。

「これは、上山さん。ご無沙汰しております」

 佃教授は滑川教授とは真逆の丁寧さで上山を入口で迎えた。さらに、研究室への通路を歩きながら、「何でしたでしょう?」と問いかけてきた。

「いえ、大したことじゃないんですが…」

 そう前置きし、上山は一端、口を閉ざした。

 研究室のドアを入ると、いつもいる助手達の姿は、まったくなかった。

「あの…、他の方は?」

「ああ、助手達ですか…。一段落しましたので、今日は休ませております」

 何が一段落したんだろう? …と、上山は怪訝けげんに思いながらも、「あっ! そうでしたか…」と、軽く返した。

「まあ、おかけ下さい。ところで、ご用件は?」

 佃教授の理詰めには馴れている上山だったが、いざかれると、どう切り出していいものか、と躊躇ちゅうちょを余儀なくされた。

「ええ、まあ…。平林君と私のことで…」

 とりえず、上山は暈した。

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