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三章 第六十三回

「いや、見当もつかんが、私の場合も急に周りの景色が白黒モノトーンになっただろ? それを考えると、霊界のお偉方がなさったこととしか思えん。いてみちゃ、どうだ? 私に訊くよりは確かだぜ」

『あっ! そうでした。そうすりゃ、よかったですね。僕としたことが…』

「いや、君だからここへ現れたんだ。普通は、もう少し冷静に考えるぞ、ははは…」

『笑いごとじゃありません!』

「いや、申し訳ない。考えよう…」

 上山は腕組みし、幽霊平林も追随した。

 しばらく二人(一人と一霊)は沈黙していたが、やがて上山が口を開いた。

「ふ~む。…やはり原因は分からん。まったく思い当たるふしがないからな。先ほどの話のように、霊界トップにいた方が早いし、確実だろう」

『…はい、そうします。それじゃ、さっそく! お騒がせしました』

「何か分かれば、また現れてくれ」

『そうします。じゃあ…』

 幽霊平林は語尾をぼかして消え去った。もちろん、格好よく消えることだけは忘れていなかった。

「…なんだ、人騒がせな奴だ!」

 自分の異変のときはあわてた上山だったが、ことが幽霊平林となると、からっきしで、人ごとのように、つれない呟きをらすのだった。

 一方、霊界へ戻った幽霊平林は、すぐに如意の筆を手にすると、両瞼まぶたを閉じ、何やら念じ始めた。もちろん、霊界番人を呼び出すために念じたのだ。いつもの所作で瞼を開けたあと、如意の筆を二、三度、振ると、たちまちにして光が上方より射し、光輪がその光に沿って幽霊平林の前へ下りてきた。

『なんじゃ! また、そなたか…。この忙しい折りに、いったい何用じゃ! つまらん戯言ざれごとなら、聞きとうもない。…というより、そのようなひまはないゆえ、またの機会にしてくれ』

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