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三章 第三十回

 そんな生半可な仕事をしているうちに昼となり、やがて退社時間となった。上山の心の中には、一日の中で漠然と考えた一つの発想が次第に具体化しつつあった。上山の足は、どうしたことか社屋の外へは向かわず、社長室へ進んでいた。その社長室へ上山が入ろうとしたとき、入口ドアを出ようとしていた田丸と、ばったり鉢合わせした。

「おっと! なんだ上山君か。どうかしたのかね? 私は今、帰ろうとしとったんだが、何か用かね?」

「いえ、ちょっと社長に云っておこうと思ったもので…。私、退職させてもらえないでしょうか!」

「なんだ、藪から棒に! 驚くじゃないか…。まあ、歩きながら話そう」

 上山の思いつめたような眼差しに、田丸は幾らか、たじろぎながらなだめた。


 田丸のすすめで、二人は会社前の喫茶・キングダムへと入った。ウエイトレスが注文をいて下がったあと、田丸がくように話しだした。

「辞めるって、それは聞き捨てならんぞ。何かあったのかね? 仕事のトラブルとか…」

「いや、そうじゃないんです。社長もご存知の平林君絡がらみの話なんですよ」

「君が見えるという、死んだあの平林君関連かね」

「はい、その平林君絡みで…」

「詳しいその後の事情は分からんが、余り人前でに話せん話だわなあ…」

 田丸は上山と幽霊平林の経緯いきさつを知る唯一の人間であった。

「ええ、この前、少し霊界のお偉方のことをお話ししたと思うんですが、その霊界番人という存在のご命令で、私と平林君のやろうとしたことにストップがかかりまして…」

「おお、地球温暖化阻止とか云っておった事案だったな、確か」

「はい、そうです。そうしないと、私の身が危ういのです」

「危ういとは?」

「私の身が人間界と霊界の狭間はざまへ閉じ込められる危険性があるのです。現に一度、警告のように閉じ込められました」

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