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三章 第二十五回

「霊界番人様? …私には何も見えんぞ、君!」

 上山は鋭い声で云った。

『課長には聞こえません。ただ、僕にもそのお姿は見えてません』

「なんだ、そうか…。しかし、この私は、どうなったんだ。君、いてみてくれよ」

 上山は少し不安げな大きめの声で幽霊平林に云った。

『あの、課長はどうなったんでしょう?』

『おお、そこの人間界の者か。確か…なんとか申したのう』

『上山です。上山課長です!』

『そうじゃったな。その者は、お前の姿が見えるはずだったが…』

『はい! そうです』

『結論から申せば、今、その者はいつぞやと同じ人間界と霊界の狭間はざまにある。いや、いつぞやよりは、もう少し霊界に近いじゃろうのう』

『それは、なぜ?』

『今回はわしが霊界司様のご命令で、したことじゃ。ゆえに、儂が念力を解けば、すぐさま元に戻れるから安心せい、と伝えよ』

『ああ、よかった…』

 幽霊平林は、それを聞き、ひとまず安心した。

「何が、よかったんだ、君?!」

 安心できないのは上山である。

『あっ! こっちの話です、課長。すいません。霊界番人様のお話によれば、課長の今の状態は、霊界と人間界の狭間にある、ということです』

「いつやらあった、あの状態か?」

『いえ、あの時よりは、もう少し霊界に近いそうです』

「なんだって! 私はどうなるんだ、君!」

 上山は興奮しだした。

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