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第二十三回

出水でみず君、なにかあったら頼んだ…」

「はい! 分かりました」

 出水は課長席を振り向き、そう返した。

 バタつきながら上山が社長室へ入ったのは、その五分後だった。ドアを開けて驚いたのは、幽霊平林が田丸の座る社長席の真っ後ろにいたことである。一瞬、こいつ、また現れたか…と、怒れたが、ここは冷静にならねば・・と上山は気持を引き締めてドアを閉じた。

「ああ…早かったじゃないか、上山君」

 田丸は至極、機嫌がよく、笑顔で上山を迎えた。上山が社長席へ近づくと、田丸は立ち上がって応接セットの方へと歩いた。

「まあ、かけたまえ」

「はあ…」

 席を勧められ、幽霊平林を意識しないように上山は長椅子へ座った。

「呼んだのは他でもない。どうも、この前の君の話が気になってねえ。悪い冗談で私をからかったんなら、それでよかったんだが…。どうも、そうじゃないようだったからね…」

「いやあ…、そのことでしたか」

 困ったことになったぞ…と、上山は刹那、思った。ここは、この前の話は作り話で、おっしゃるとおり社長をからかったんですと笑って否定すべきなのか、あるいは真実を、有りありていに話すべきなのか、をである。口籠ごもった上山を見て、田丸は穏やかに云った。

「なにも困らすつもりで君をここへ呼んだんじゃないんだ。別に話さなくたっていいよ…」

 田丸は一端、退いた。とはいえ、社長の威圧感は、やはり上山を攻めたてる。なにも私を怒らせたところで、それはそれでいいんだぞ。ただ、君の出世は…と、云われているような威圧感なのである。

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