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二章 第七十三回

「その某国っていうのが、まず分からん。君は、そんな遠くにも現れることが可能なのか?」

『はい! それはもう。地球上のどこだって可能ですよ。課長のおられるこの世の者じゃないんですから、僕は』

「ああ、それは分かってるがな…。国外まで可能だとは。今の今まで知らなかったからな」

『いや、如意の筆がなければ、せいぜい今まで行った地域までですがね。これがあれば、ひとっ飛びですよ、ははは…』

 幽霊平林は胸もとから如意の筆を引き抜いて示しながら陰気に笑った。

「なんか、孫悟空だな。ははは…」

 上山も釣られて陽気に笑った。

「まあ、海外まで現れることが可能だと、そこまでは分かった。だがなあ、軍隊がハチャメチャってのは?」

『そうでした。そこを詳しく云いますと、僕が現われたとき、その国では軍事パレードをやっておりました』

「そんな偶然ってあるのか? 君が調べて行ったのかい?」

『いえ、まったくの偶然です。如意の筆に調べやすい所、とは念じはしたんですよ。ですから、その軍事パレードが調べやすい、と如意の筆が判断したんでしょう』

『そうなんです。それで試しに軍のパレードを止めようと念じ、棒をひと振りしたんです。すると、行進は氷のように止まってしまった訳で…、しばらくすると皆、砂煙を上げて崩れるように地面へ倒れたんですよ』

「ああ、それがハチャメチャって訳か?」

『はい、そのとおりです』

 幽霊平林は、やっと上山に分かってもらえたか…と安堵あんどした。

「と、いうことは、如意の筆の効果は絶大だってことになるよな」

『はい…』

「すると、私と君とで社会悪をらしめられる、って寸法だ!」

 興奮ぎみに勢いづいて、上山がまくし立てた。

『そういうことです! ともかく、課長の土、日周りでやりましょう!』

「やりましょう、か…。おいおい、待てよ! 君はどこだって出現出来るからいいいが、私はどうなる? ただの人間だぜ。君のように世界各地に現れることなど不可能だろう」

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