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二章 第六十回

「まあ、とにかく、私も正義の味方として華々しくデビューすることになるんだろうな、ははは…」

 気分がよくなったのか、上山はにぎやかに笑った。

『そんな格好いいもんじゃないと思うんですが、僕は…』

「どうして?」

『どうしてって、昔から正義の味方ってのは、かげの立役者じゃないですか』

「んっ? ああ、まあなあ。それはそうだが…。正義の味方が、私が正義の味方の○○です! とは云わんわなあ…」

『ええ、そうでしょ?』

 夕食のことも忘れ、上山は幽霊平林と語り合った。辺りは完璧に夜になっていた。

「おお、もうこんな時間か…」

 腕を見て、上山が唐突に、ひとりごちた。

『すみません、長居しました。次は日曜の朝にでも寄らせてもらいます。今日は遅いですから、この辺で…。また、手を回して呼んで下さい。課長のいてられたことですが、霊界番人様に云ってみます。それじゃ…』

「あっ! …」

 そんなつもりで腕を見た訳ではなかった上山が、そう発したとき、幽霊平林の姿は跡形もなく消えていた。

 次の日曜の朝である。この辺りから上山の身に新たな展開が始まろうとは、周囲の者ばかりか、本人自身もまったく想定していなかった。もちろんそれは朝、幽霊平林に出会ってからのことである。彼は洗顔中の上山が、ふと鏡に映る自分の姿を垣間かいま見たとき、その背後にスゥ~っと躍り出た。それは、上山が歯ブラシを洗い終え、ふと無意識に手をグルリと回したときだった。

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