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二章 第十四回

「すまん、すまん。…別に、からかった訳じゃないんだが…」

『まあ、いいですよ。それより、先に教授のところへ、ひとっ飛びして、様子をうかがってきましょうか?』

「便利なんだねえ…、うらやましいよ。まあ、出来たらそう願いたいが…。しかし君、疲れるだろ?」

『幽霊に疲れなんぞ、ありません』

「おお、そうだったな。じゃあ、ひとつ頼む。すぐ戻ってくれよ」

「はい…」

 うなずくと、幽霊平林は格好よく、たちまちスゥ~っと消え失せた。

 久々に訪ねる滑川なめかわ研究所である。コンタクトなし、となれば、世間に変人扱いされいる教授の人間性からして、門前払いを食らわされる可能性が無きにしもあらずだった。しかし上山は、なるようにしかならんさ…と、かなりアグレッシブだった。しばらく歩いて駐車場へ出ると、幽霊平林が戻ってきた。わずか五分内外である。

「おお! …思ったより早かったな」

 息も切らさぬ早業はやわざに少し感心した上山だが、表面上は無愛想に云った。

『はい! 教授、以前とちっとも変わらず、椅子に腕組みして座っておられました!』

「うむ…。そんなとこだろうと思ってたよ」

 上山は至極当然、と云わんばかりの口調で、車のドアを開けた。もちろん、幽霊平林は簡単にスゥ~っと透過して、左前の助手席にいた。辺りはすでに夕闇に包まれようとしていた。舞台寺ぶだいじのときもそうだったが、どうも夜になるケースが多い…と上山は思っていた。

「上手く入れるといいが…」

『大丈夫ですよ。僕も霊力を送りますから…』

「ああ、頼むよ。いつか云ってたやつだな。その気にさせると迄はいかないが、そうなる雰囲気にすることは出来るって」

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