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二章 第四回

 上山は入口の戸を開けると、中へ入った。それでも巡査は器用な姿勢のまま寝入っている。いわば、氷状態の眠りである。上山はゆったり近づくと、カウンター机の向うに座る巡査の肩を少し揺すってみた。一、二度揺すったが反応がない。こりゃ駄目だと、今度は巡査の肩を持って大きく揺すってみた。すると、巡査はなにを思ったのか、両眼をキッ! っと鋭く開けると、急に直立した。驚いて飛び起きたのである。このとき、初めて右手にしっかり持っていたボールペンを帳簿の上へ落とした。この様子を上山より先に戸を透過して入っている幽霊平林も見ていた。

「… … はい! …なにか?」

 巡査の第一声である。

「いえね…、ちょいとお寺を探しているんですがね」

「えっ? こんな夜分にですか?」

「ええまあ、そうなんですが…。今日中にご住職にお会いしたいと思いましたもので…」

「あ、さよですか…。で、なんというお寺を?」

「照明山・舞台寺しょうみょうざん・ぶだいじというお寺さんなんですがね」

「ああ、舞台寺さんですか」

 巡査は、なんだ…という気が抜けた顔をした。

「ええ、そうですが…? 何か、あるんですか?」

「ははは…、いや、別に何もないんですがね。かなり大きなお寺さんなんですが…」

 巡査の意味ありげなぼかしに、上山は、いささか疑念を覚えた。

「はあ、それは聞いております。それが…?」

「いやあ、気にせんで下さい。私ら警察では手に負えん情報が二、三入っとるだけですから」

「その奥歯に物のはさまった云い方、気になりますね」

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