6話 ハプニング
何でいつもこの時間に更新してしまうのでしょうか
「んっふふーやっぱこれ!おいしーっ!」
ビーフシチューを頬張るカルマはどこから見ても幸せそうで作った甲斐を感じさせてくれる
「やはりお前の料理はうまいな、レノヴァ」
野菜が解けるほどに煮詰め肉をしっかりと感じさせるレノヴァのビーフシチュー彼の料理の腕はほかの神々すらも絶賛する程だ
「あぁ、そうだクレメンタインからお前に頼みたいことがあるそうだ」
「私にですか?」
頼み事なら自分よりも適任な神が目の前に二人もいるのに、と少し疑問が浮かぶ
「お前が街にうまく溶け込めるように、とのことだ」
どうやら思ったよりもクレメンタインは私を気にかけてくれているらしい
「明日行ってみますね」
「あぁ、そうしてやってくれ。あいつお前のこと結構気にしてるみたいだからな」
クレメンタインがこちらを気にかけてくれているのはいろいろとありがたい
「じゃあ明日はそちらに行きますか、カルマ様」
「んー?あー私明日ちょーっと調べることあってさ、それはパスかなごめんね」
「そうでしたか、気をつけていってきてくださいね」
カルマが単独行動をするのは珍しいがそれほど大事な調べものなのだろうとりあえず明日は一人で行くことにする
「なんだレノヴァ、私は誘ってくれないのか?」
正面から自分を気にしろといった表情でサンクトゥムが見てくる
「いや、貴方ばっかでかい畑作り始めちゃったじゃないですか」
そう、昼間帰った時にすでに驚いてはいたが家の隣にとても広い空き地ができていた
サンクトゥムは「くはは!自給自足はいいものだぞ!はははははは!」と言っていたが
「あれができるまでどこか行く気はなさそうでしたので」
「ははは!それはそうだ、だが折角いるのだからな、聞いてくれた方がうれしいぞ?」
「なら、次からそうします」
「うむ、素直なところはお前の美徳だな」
食後それぞれ明日までの自由時間を過ごしている
レノヴァはゆっくりお風呂に使っている最中だ
「この泡風呂もこもこしてて楽しい」
サンクトゥムがくれた入浴剤を試しているのだがこれがなかなかに楽しい
もこもこだし、かわいい形も作れる
「ふふ、かわいっ」
普段敬語で過ごすレノヴァにとってお風呂は数少ないのんびりと過ごせる場所の一つだ
そう、だったのだが、突然カチャと音を立てて浴室の扉が開く
「あ、あの!」
「ふぇ?」
なぜか浴室に入ってきたカルマと、言葉が重なる
「なっ、なんでレノヴァがっ」
「それはこっちのセリフですっ」
お互い突然のことにパニックになっているが、そこにサンクトゥムが通りかかる
「カルマ、早く入れ、そんなところで何を…おっと、レノヴァがまだいたのか、これはすまないことをした」
どうやら泡を楽しんでいるうちにそこそこ時間がたっていたようでいろいろと気まずい状況になってしまった
「えっとその、ごめんレノヴァ!」
「あ、いや、大丈夫、ですその、脱いでしまってるみたいですし、泡であまり見えないので風邪ひかないうちにっ入ってくださいっ」
そういって必死に目をそらす、とっさではあったがすごいことを言ってしまった気もするが
…気まずい
「その、ごめんね、気を使わせちゃって」
「いえ、私も長く入りすぎました、泡が思ったより楽しくて」
カルマには背を向けて泡と戯れているためお互いどんな表情をしているかはわからない、だがお互い少し顔が赤くなっているのは雰囲気というかなんというかが教えてくれる
「カルマ様」「その、さ」
口を開こうと名前を呼んだところ、何か言いたげに遮られる
「そのレノヴァさえよければ、なんだけど呼び捨てとかにして欲しいなって」
思わず口から驚きの声が漏れてしまう。カルマに拾われてから早1年が立つが記憶を失ったとしても神には様をつけるというのは当たり前に感じていたためだ
「レノヴァが嫌ならいいんだよ?でも私はレノヴァのこと同じ年くらいの男の子だと思ってるというか、その、様とか敬語だとちょっと距離あるなって」
いきなり変えろと言われて変えるのは難しい、だが折角提案してくれたのだ断るのも忍びな
い
「そのいきなり変えるのは難しいので、二人きりの時とかからでよければ、いいですよ」
「わ!よかった断られたらどうしようかと思ったよ」
「カルマ様の提案はよほどのことでない限り、断りませんよ」
だからと言ってお願いを聞くだけでは不公平だ
「代わりと言っては何ですけど、一つお願いが」
私のお願いも、聞いてもらわなければ
次こそお昼にしたいところ…




