コミカライズ更新告知SS
73話-2 74話-1(先読み)公開です!
――――地下倉庫で アイサ
イルク村でも一部の者しか知らず、立ち入ることが許されていない地下倉庫が存在している。
それがディアスのユルトの側にあり……そこに入り込んだアイサは、腕を組んで首を傾げて唸り声を上げていた。
「うーん……貴族の贅沢って大嫌いだったけど、必要なものだったのねぇ」
その視線の先には厳重な鍵がされた鉄の箱が積み重なっていて……その中身が金貨や銀貨であることを知っていたアイサは、それらをどう消費したものかと頭を悩ませていた。
元々イルク村は、領外からの食料供給に依存していた。
隣領隣国から大量の食料を買って領民の飢えを満たしていたのだが……海から魚が届くようになるとそれが激減してしまい、金貨銀貨を消費しなくなってしまっていた。
何なら塩魚や干し魚を他所に売って収入まで得ていて……ならばと木材や石材を隣領から積極的に買うようになったのだが、それでも消費が追いつかない。
「……いっそ軍馬を買い足そうかしら、でも大食いのハルジャ種がいる現状それをやると草が足りなく成っちゃう可能性も……。
まさか草原で草の量を気にすることになるなんてねぇ……飼葉も買っちゃう? いやでもそれにも限界があるか。
……もういっそ金も銀も溶かして装飾品にでもしちゃえば良いのかな?」
そんな独り言を言っていると背後から気配がして……振り返ると夫であるイーライの姿があり、声をかけてくる。
「一応言っておくと、勝手に溶かすのは違法だからな。
細工次第では価値がうんと落ちるし……しょうがないから隣国からまた芸人を呼ぶとかで良いだろ。
後は……贅沢が嫌いなんだとしても贅沢してもらうしかないよな。
なんだろ……服とか絵画か?」
「そんなのお父様が相手する訳ないじゃない。
服は愛妻が作ったものが山程あるし、絵画には全く興味ないし……でもそうね、貴族としての威厳を出すために、そういう品を揃えるしかないんでしょうねぇ」
そう言ってから二人は大きなため息を吐き出す。
まさか儲かりすぎて困ることがあるだなんて……商人としては予想外過ぎて言葉がない。
しかしそれでもなんらかの方法で消費はしていかなければならない、一部に金貨銀貨を溜め込むなんてこと、誰にとっても害しかないのだから。
そうしてもう一つため息を吐き出したアイサとイーライは、二人で一生懸命になってあれこれと、金貨銀貨の使い道を考えていくのだった。
お読みいただきありがとうございました!
アイサ大活躍!






