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狂乱と退廃の時代を前に、最後の魔女は死んだ。
その死は、魔法の終焉を意味していた。
ご愁傷様だが、魔女が死ぬには相応しい時代だ。
誰もがそう口にしていた。私だって。
そのはずなのに――。
私は、魔女を見た。
巨大な月を僕のように引き連れて。
ふんわりと頭の上に前に浮いている。
その姿は、かつて幼少の頃に畏れた、おとぎ話の魔女だった。
魔法や魔術はカビの生えた知識。
魔導具は胡乱な骨董品。
そんなふうに囁かれる時代。
彼女は、五番街の南端を折れた先、高層ビルの足許に転がる小さな魔導具修復店、〈ド・ドラーク〉にいる。
その店の見習い修復士として。




