ムーンの謎?
おじいさんのありがた~い おはなし。
「龍馬さんが襲撃されて、殺されたのが慶応3年11月15日、襲撃者は京都見廻組の佐々木只三郎ら。」
「そっか、あいつらは見回組じゃったか。」
ムーンは、龍馬とマンガ偉人伝「坂本龍馬」を読んでいる。
「ねえ、ムーン。」
「何?」
「いつも思うんだけど、あなたその本どこから持ってくるの?」
何かに気付いたマーキュリーがムーンを問い詰めている。
「私の本棚よ。」
「それどこにあるの?あなたの部屋にはないわよね。」
「私の異次元収納ボックスよ。」
「もしかして、映像のライブラリーも?」
「面白そうなのはこっちのコンピュータにダウンロードしているわ。」
「それで、巨大な観音様が活躍したり、宇宙船が飛び交ったり……。」
「おい、黄門様の50年続いた旅というのもか?」
マーズもその不思議さに気づいたようであった。
ムーンは無自覚なまま龍馬が殺された世界線上のものを自由に入手していたようであった。
「ということは、ムーン。あなたがここまでで一番の謎よ。」
「わたしが?」
「本来の世界線にない出来事に関する知識を持っている。そういうことですね。」
源内が医療用トリコーダーを取り出してムーンの頭にかざしている。そのトリコーダーもムーンが提供した20世紀後半の映像から源内が開発したものであった。
「この間見たムーンのビジョンは1945年じゃったのう。」
「あれで日本が滅びたんじゃないんだ。」
「そうだよな映像がある。」
会議室のモニターには近代的な都市で巨大な銀色の観音様が宇宙人と戦っている。
「しかし、こんなにしょっちゅう巨大生物が暴れる世界が来るのか?」
「それでも復興するのが日本の力なのか?」
「皆さん、ここに興味深い映像があります。」
源内が白黒映像を流し始めた。映像では巨大な二足歩行するトカゲ状の生物が東京タワーを破壊している。
「この怪獣は、核実験の影響で発生したとのことです。これは1945年の核分裂反応を使った爆弾と関連があります。」
そして、カラーになった別の映像を流した。映像には巨大な芋虫が東京タワーに繭を作っている。
「あのトカゲ状の怪獣に破壊された鉄塔と同じ鉄塔がここでも破壊されています。」
「どういうことじゃ。」
「復興は速やかに行われているということです。」
「そうなのじゃろうな。」
「この鉄塔は何度も様々な場面で破壊されています。きっとこれが首都の象徴として使われていると思われます。しかし21世紀に入ると鉄塔の形が変わっています。」
「ということは、あの1945年の映像で日本が消滅したという訳ではなさそうだな。」
吉宗は、日本がなくなるという事態は避けられたのだと安心した表情を浮かべた。
「お爺様、そうでもありません。この動く絵を見ましたか?」
家治は宇宙を飛ぶ巨大戦艦の映像を見せた。家治は宇宙もののアニメばかりを見ている。
「いや、物理的にこれは可能なのか。」
源内は自分が星間宇宙船を開発しただけに、その構造上の困難さが気になった。
「この話では、核戦争による放射能で汚染された地球を救うために宇宙の果てまで旅をするんです。」
「まあ、あのまま核兵器を使用し続けたらそうなるよな。」
「それだけでなく、巨大な宇宙船をコロニーにして宇宙の住める星に移民するという話もあるんです。」
その隣で家基が話に入ってきた。家基は巨大な観音様がお気に入りだ。
「父さん、僕が見た話だと宇宙人たちが地球を侵略にやってくるようですよ。しかも地球を侵略と言って日本にばかりやってきます。」
「ちょっと、皆さんお待ちください。」
「まあ待ちな。」
大岡忠相が大きな声を出して、皆の注目を集めた。その横で金さんこと遠山金四郎がいる。
「これは、未来の作り物と事実を見分ける必要があります。」
「ムーンの本棚とライブラリーを確認する必要があるぜ。」
「それは私も確認したいですね。母さんもそう言っています。」
静円がヴィーナスと共に部屋に入ってきた。鬼が絶滅した本来の日本の歴史と、鬼が生存した日本の歴史に関わる二人の女神も、坂本龍馬が殺されたことで分岐した新たな世界線について関心があった。
「ムーン、ここで、異次元収納ボックスを展開できる?」
「んー、ここじゃ狭いかも。それに最近整理していないし……。」
「宝徳山行くわよ。」
ジュピターが部屋にあった転送装置のスイッチを押して部屋ごと宝徳山の発射場に転移した。
「さ、ムーン。ここで展開して」
朦々とした煙が立った後に一同が見たものは巨大な整理されていない図書館であった。
ここまでのムーンは前章までをご確認ください。




