表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

親子丼


 目の前に温かな親子丼が運ばれてきて、頭の中で駆け巡るニワトリ達の妄想を振り払った。

 今日の夕食は妻の手作り親子丼だった――。

 親子丼とはいえ、卵と鶏肉は別々の場所で生産されている。親子丼という名が……「実は他人丼」であったり、「実の親子丼」であれば、私はこんなにも親子丼が好きではなかったことだろう。


「ほほう、美味しそうだ」


 ところがテーブルの上、私以外には違う丼物が置かれている。

「わたし達は海鮮丼にしたのよ」

 赤く光り輝くイクラと、美しいピンク色をしたサーモンがタップリ乗った「海鮮親子丼」が妻と息子の前に置かれる。

「うお、うまそー」

 ……チクショウ……。そっちはそっちで旨そうだ――。

「いただきます!」

 息子が丼を口に持って行き、流し込むようにイクラとサーモンを食べる。


 ニワトリと卵の話をどこまで真剣に聞いていたのだろうか……。

 やれやれ、せっかく熱弁してやったというのに……。


 仕方なく親子丼を食べようとしたときだった。

「お父さん。じゃあ、「イクラ」と「鮭」ってどっちが先に生まれたの?」


 ――イクラと鮭だと――?



 箸が止まった……。



おしまいです!!


感想、レビュー、ポイント評価、ブックマーク、誤字報告、なんでもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ