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運命の栞  作者: あーちゃん


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80/150

80ページ

人はきっと、誰かに救われながら生きています。


大きな言葉じゃなくてもいい。

たった一言。

たった一つの優しさ。

それだけで、生きようと思える夜があります。


この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。


けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。


苦しみながらも誰かを想うこと。

忘れたくないと願うこと。

誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。


そんな、不器用で優しい人たちの姿です。


もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。

この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。


『時雨堂に、雪は降りつづく』


どうか最後まで、見届けてください。


その瞬間。


雫の人生の本が強く輝き始めた。


ページが開き、文字が浮かび上がる。


『核を確認』


栞が叫ぶ。


「始まる!」


空間が白く染まる。


無数の本が空へ浮かび上がった。


美咲。

遥香。

由紀。

修司。


救われた人たちの人生の本。


それらが、一本の光で繋がっていく。


書庫主が苦しそうに揺れる。


『観測不能』


雫は玲の手を握った。


温かい。


消えかけていた記憶が、少しずつ戻ってくる。


湊との思い出。

母の笑顔。


全部が繋がっていく。


そして雫は、初めて理解した。


人の人生は、一人だけでは成り立たない。


誰かとの繋がりで出来ている。


だから。


「私は、誰も切り捨てない」


その言葉と同時に。


巨大な光が深層書庫を包み込んだ。


世界そのものが、再編され始めていた。

最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。


この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。


誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。




全部を救いたい。

誰も傷ついてほしくない。


そう願っても、現実は簡単ではありません。


それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。


その小さな希望を、この物語に込めました。


雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。

そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。


人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。


もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。

それが、この作品にとって何よりの救いです。


あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。


本当にありがとうございました。

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