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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
その瞬間。
雫の人生の本が強く輝き始めた。
ページが開き、文字が浮かび上がる。
『核を確認』
栞が叫ぶ。
「始まる!」
空間が白く染まる。
無数の本が空へ浮かび上がった。
美咲。
遥香。
由紀。
修司。
救われた人たちの人生の本。
それらが、一本の光で繋がっていく。
書庫主が苦しそうに揺れる。
『観測不能』
雫は玲の手を握った。
温かい。
消えかけていた記憶が、少しずつ戻ってくる。
湊との思い出。
母の笑顔。
全部が繋がっていく。
そして雫は、初めて理解した。
人の人生は、一人だけでは成り立たない。
誰かとの繋がりで出来ている。
だから。
「私は、誰も切り捨てない」
その言葉と同時に。
巨大な光が深層書庫を包み込んだ。
世界そのものが、再編され始めていた。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




