表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

第8話 陽に当たること。

「今日は日が昇るのがゆっくりだわ、と思っておりましたが、冬至だったんですねえ。」


と、感慨深げにリーゼ様が話し出す。


「明日から、ほんの少しずつ春に近くなっていくんですねえ、、、こんなふうに、冬至という日を感じたのは初めてですわ。」


お嬢さまは、日に焼けた。冬だって焼けるのだ。健康的に見える。

筋肉もついた。お百度参りが始まる前に、金色の髪を、邪魔にならないように、思い切って肩口でバッサリ切ってしまった。おどおどした、内気な女の子、っていうイメージだったが、意外と思い切りがいい。開き直ったのかな?


帰ってきたら、温泉に入り、足や手がしもやけにならないように良くマッサージする。血行促進のクリームを塗る。

その後、朝食。

お茶を飲みながら、執務。

領地の経営は任されている。本来なら、まあ、、、、二人に、、、


元々、使用人にも好かれていたが、ここのところ、フットワークが軽くなったから、領地の視察にもまめに出かけている。領民の評判も良好。

帰って来て、さっさと寝る。朝早いから。


なんて規則正しい生活!!!


古参の使用人によると、お嬢様はかなりの寒がりだったらしいが、今は、代謝が良くなっているからか、薪の追加が少ないらしい。筋肉は、実は暖かいんだねえ。


毎朝、日に当たる。

それだけでも、生活のリズムは整う。

そう、、、、、彼の方も、、、、



毎朝、そんなに早く起きなくてもいいのに、、、、、早起きして、着替えて、馬に乗りに行っている。厩舎は屋敷の西側にあるので、東に向かって歩いていくお嬢様と接触しないのが幸いである。


まあ、、、、自分に婚約破棄を突き付けた男と、会いたくはないよなあ、、、、どんな事情か分からないけど、、、、


日が昇り切ると、帰って来て、客用ラウンジから外を見る。


ん-ーーーー????


日に当たるのは、骨も丈夫にするから大事です。

今日も、お嬢様が無事に帰ってきたのを見届けて、朝食の席に着きました。


ん-ーーーー????


「ジーク様も規則正しい生活をなさっておりますよ?馬も難なく乗れるようになりましたし。」

「・・・そうねえ、、、、帰らないのかしら?帰らないの?って聞いてもいいのかしら?」

「・・・・まあ、相手は王子ですからねえ、、、治療以外の意見を申し上げるのはいかがなものかと、、、」

「ジョン、あなた、お風呂に入ったときにでも聞いてみてよ?ね?男同士、裸の付き合い、みたいな?」

「・・・・・」

「ダメよねえ、、、、」

「・・・・」

「じゃあまあ、剣術の稽古でもしましょう?瞬発力を鍛える、とか言って。あなた、本職でしょ?」

「はあ、、、、まあ、、、、一応、騎士なんで。」


歩くのに何ら問題はない。馬に乗る姿勢も保てる。乗り降りも心配ない。


この人は、、、、何が引っかかっているんだろう?

さっさと帰って、新しい恋人と、新しい生活を始めるのも、もう可能なのに。



















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ