第7話 続けること。
「先生、今日は、11月最後の赤い落ち葉を見つけましたよ。あとは、小鳥が赤い実をくわえておりましたの。うふふっ。赤い物って意外と多いんですねえ、、、」
リーゼ様は根気よくお百度参りを続けている。
今日は丁度30日目。もっと早く、音を上げるだろうと思っていたが、、、
朝から冷たい雨が降ることもあった。
それでも、門まで着くと外套を脱いで、靴も脱いで、一礼してから歩き出していく、と、護衛に報告は受けている。
帰って来てからは、温泉に入れている。股ずれは改善した。足の裏も硬くなった。杖を握る両手も、随分と丈夫な皮になってきた。これからの心配は、しもやけかなあ、、、
日の出が遅くなってきたので、出発時間は少し遅くなるかと思っていたが、同じ時間に出ていく。神殿で朝日が昇るのを待つのが、、、、
「とても、荘厳で美しいんです。」
そう言っていた。お嬢様の顔は日に日に生き生きとしてくる。
*****
「ジーク様?そんなところで、寒くないですか?」
来客用のラウンジには火を入れていない。
上着も着ないで、ジークがソファーに座って外を眺めていた。
ジョンに毛布を持ってくるように言う。
ここのところ、、、、毎日の日課になっているようだ。しかし、今朝は寒い。霜が降りたようだ。
膝に毛布を置いて、先にジークの部屋に戻る。暖炉に火が入っているから、ほんわりと暖かい。
長机に手をついて移動することもなくなったので、ベッド以外は元の場所に戻した。
「ここのところ、毎日なんです。お嬢様が帰ってきたら、戻ってきますから。」
「・・・・なんなの?」
「さあ?」
11月で、すっかり歩けるようになった。ジョンの手はほとんどいらなくなった。もちろん、トイレにも行ける。王城に帰る、、、とは、言わなくなった。なぜかはわからない。あんなに帰りたがっていたのに。
侯爵家令嬢からは、定期的に手紙やら贈り物やらが届くが、捨て置いているみたいだ。恋人ではないのかなあ?
「ねえ、ジョン?12月からジーク様には乗馬を始めましょう。体幹を鍛えるのにいいから。」
「だ、、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない?最初はもちろん、あなたが馬を引くのよ?一人で乗るのは、そうねえ、少し雪が積もってからかしら?」
「はあ、、、、、」
そうか、、、、雪が少ないとは聞いているけど、降らないわけじゃない。お嬢様はどうするんだろう?これからどんどん、寒さも厳しくなる、、、時期が悪かったなあ、、、、でも、始まってしまった。あの子は、、、、やめないだろうなあ、、、、




